認識の乖離に早期に気づくには
リーダーと従業員の間に溝ができている兆候は多くの場合、些細なところに表れる。リーダーはいつも同じ人が評価されていることに気づくかもしれない。会議がこれまでよりも静かになるということもあり得る。業績のいい従業員がフィードバックや挑戦的な仕事を求めなくなるかもしれない。退職者との面談で、報酬よりも職場の文化を指摘されることも考えられる。これらの兆候は何か異変が起こっていることを物語っている。
もうひとつの危険信号は、リーダーは頻繁に部下を評価しているつもりでも、従業員はそう思っていない場合だ。これは通常、褒め言葉が曖昧すぎるか、タイミングが遅すぎるのだ。脈絡もなく「素晴らしい仕事」と言われると、その言葉はすぐに消えてしまう。達成から何週間も経って評価されると、付け足しのように感じられることもある。
リーダーが今日から新たにすべきこと
真の変化はこれまでと異なる質問から始まる。何が効果的かを決めつけるのではなく、直接尋ねてみよう。「どのように評価されたいのか」「どのようなフィードバックが成長につながるか」「あなたにとって成功とは何か」など。
そして学んだことを行動に移そう。明らかな成功だけを評価するのはやめ、人知れない取り組みやチームワーク、洞察、自発性を認めることから始めよう。これらのことに気づくための時間的な余裕を持つこと。評価を言葉や声に出して共有し、何を評価しているのかを明確に伝えるべきだ。
これまで以上に注意を払うべき理由
エンゲージメントのスコアは低迷し、従業員の定着は以前より厳しくなっている。経済は変わり続けているが、人々が職場で真に何を求めているかは変わっていない。自分の人となりと持ち味を理解してくれる人に認められたいのだ。
手遅れになる前に
認めるだけでは壊れた職場の文化は直らない。だが、それが好奇心・探究心に基づいたものであれば、信頼を再構築するためのツールとなる。人は理解されていると感じれば、より積極的に発言するようになる。リーダーが見守っていることを知れば、躊躇することもなくなる。もしあなたが、どんなときに評価されていると感じるかチームに尋ねたことがないのなら、何か重要なことを見逃しているかもしれない。今日会社にいる人々は、退職を決意する前に誰かが気づいてくれることを願っている人々なのだ。


