北米

2025.06.13 15:00

トランプが7.2億円の「ゴールドカード」受付開始、富裕層に永住権提供

Wang Gang/VCG via Getty Images

Wang Gang/VCG via Getty Images

トランプ米大統領は米東部時間6月11日夜、富裕層の外国人向けの500万ドル(約7億2000万円)の「ゴールドカード」ビザの登録受付を開始したと発表した。このビザ制度は、米国市民権への迅速な取得ルートを提供することを目的としたもので、トランプは既存の投資家ビザ制度に代わる可能性があることを示唆している。

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トランプは自身のSNSのトゥルース・ソーシャルに、このビザを「ザ・トランプ・カード」と呼ぶウェブサイトのリンクを投稿した。

彼は、投稿の中で「何千人もの人々が、どうすれば登録できるのかを尋ねてきている」と述べて、「ウェイティングリストが今、開設された」と発表した。しかし、このサイトには詳細な情報がほとんど掲載されておらず、「まもなく登場」とだけ記され、ビザの提供開始日などは記載されていない。

登録フォームは、登録者の氏名や出身地域、法人か個人か、そして本人用か代理登録かを尋ねている。また、登録者には「ビザへのアクセスが可能になった時点で通知が届く」としている。

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また、サイトには4月にトランプが大統領専用機の機内で記者団に見せたものと同じ、トランプの写真とサインが入った「トランプ・カード」の画像が掲載されている。

トランプは今年2月に初めてこのゴールドカードの構想を発表し、このカードを持つ者に米国の永住権(グリーンカード)と同様の権利が与えられると説明した。トランプは、このカードを通じて外国の富裕層が米国に「多額の資金を投じ、多くの税金を払い、多数の雇用を創出」することになると主張した。また、このプログラムに議会の承認は不要だとし、このカードの取得が米国の市民権を「買う」ものではなく「市民権へのより早い道筋」を与えるだけだと述べていた。

発表当時、トランプはこのプログラムを2週間以内に開始できる可能性があると述べていたが、それ以降、明確なスケジュールを示していない。先月は、その当時に政府効率化省(DOGE)のトップを務めていたイーロン・マスクが、この制度について「静かな試験運用を行っている」とX(旧ツイッター)に投稿し、「システムが正常に機能することを確認してから、大統領による公式発表とともに一般公開する予定だ」と述べていた。ただし、この「試験運用」が具体的にどのようなものであったのかは不明だ。

すでに受付が始まっていた可能性も

また、ニュースサイトWiredは5月7日の記事で、米国税関・国境警備局(CBP)が入国手続を迅速化するためのプログラム「グローバルエントリー」に登録しようとした一部の「永住権の保持者や海外からの訪問者」に対して「トランプ・カード・ビザへの申請を行ったかどうか」を尋ねていたと報じ、プログラムがひそかに始動したことが示唆されていた。

米国には現在、海外の富裕層に米国への投資と引き換えにグリーンカードを提供する「EB-5」というビザ制度が存在する。この制度は、米国に80万ドルから105万ドル(約1億5000万円)の投資を行い、少なくとも10人のフルタイム雇用を創出する個人に永住権を与えるものだ。トランプや政権の幹部らは、ゴールドカード制度がこのEB-5ビザに取って代わることを示唆している。

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forbes.com 原文

編集=上田裕資

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