大リーグ(MLB)ナショナルリーグの本塁打数でトップに立つ男は近く、ライバルの追随をみずから阻むことになるかもしれない。
3度のMVP(最優秀選手)に輝き、投手を兼任する大谷翔平は、投手の故障者が続出するロサンゼルス・ドジャースで、いよいよ先発ローテーションに加わろうとしているようだ。
ロサンゼルス・エンゼルス時代の2023年8月23日を最後に実戦登板から遠ざかっている大谷は、同年に右肘靭帯の修復のために受けたトミー・ジョン手術と、2024年のワールドシリーズ第2戦でスライディングした際、左肩関節唇に負った損傷を修復するための関節鏡視下手術から回復している。
ドジャースは11日現在、ナ・リーグ西地区で首位をキープしているものの、大谷を含め15人もの投手が負傷者リスト(IL)に名を連ねる状態だ。
デーブ・ロバーツ監督は、先発ローテの投手を立てずリリーフ陣を1〜2回登板させてつなぐ「ブルペンデー」や、主力級とは言い難い「ジャニーマン」(複数球団を渡り歩く選手)でしのいできた。とはいえ、これらの投手は大谷に比べると力不足で役不足なのは否めない。
オールスター前の登板「可能性ゼロでない」
右投げ・左打ちの大谷はMLB史上、最も多才な選手と言ってもよいかもしれない。長打力があり、打率も高いだけなく、盗塁もこなす。2024年シーズンには50本塁打・50盗塁の「50-50」という前人未到の記録を達成し、走攻の非凡な能力をまざまざと示してみせた。
満票で2年連続のMVPを獲得し、ドジャースのリードオフマン(1番打者)である大谷はそのうえ、優れた先発投手でもあるのだ。
当初、大谷の投手復帰は7月15日のオールスターゲーム以降になると見込まれていたが、プランが前倒しされる可能性が出てきた。6月10日、サンディエゴで3回を想定した実戦形式の練習で登板し、ドジャースの首脳陣をうならせるピッチングを見せたためだ。大谷は44球を投げ、6奪三振、1四球、被安打数はわずか1だった。球数は公式戦で彼が順調に投げきった場合の半分弱に当たる。



