トランプ米大統領は、自身の79歳の誕生日にあたる6月14日に、首都ワシントンで開催する大規模軍事パレードの妨害を試みる者たちに「非常に大きな力」で対処すると警告した。
トランプは、このパレードへの抗議活動の計画があるとは「聞いていない」としながらも、「抗議したいという人々がいるなら、非常に大きな力で迎え撃たれるだろう」と10日に大統領執務室で記者団に語り、抗議デモの参加者を、「この国を憎んでいる人々だ」と非難した。
米国の進歩派団体は、14日の軍事パレードに合わせ全米で1500件以上の「ノー・キングズ・デー」と呼ばれる抗議デモを計画中だ。トランプのこの発言は、これらの抗議デモを念頭に置いた警告とみられている。
また、彼のこの脅しは、不法移民の一斉摘発を発端にロサンゼルスで発生した抗議デモの鎮圧に向けて、州兵2000人の派遣に続いて、海兵隊700人の動員を彼が命じた中で行われた。このデモは、国内の他の都市にも広がっている。
「戦車もあるし、飛行機もあるし、あらゆるものが揃っている。素晴らしいものになると思う。このイベントは、我々の国を久々に祝うことになる」とトランプは14日のパレードについて語った。
「ノー・キングズ」の抗議デモを主催する進歩派団体Indivisible(インディビジブル)は、14日の軍事パレードがトランプの誕生日に合わせて行われる「テレビ用の力の誇示だ」と非難した。また、ウォルマート創業家の未亡人でビリオネアのクリスティ・ウォルトンも、このデモを支持する全面広告を8日のニューヨーク・タイムズ紙に掲載し、抗議に加わるよう呼びかけた。
首都ワシントンでは今週、軍事パレードの準備が進められており、当局がフェンスやセキュリティチェックポイントを設置し、全国から軍事装備を搬入している。「我々は非常に大規模な来場者数に備えている」と大統領警護隊の担当者はAP通信に語り、「最大100万人が集まる可能性がある」と予測した。
このパレードでは、150台以上の車両や50機以上のヘリコプター、7つの音楽隊、数千人の市民が動員され、数千万ドル規模の費用がかかると報じられている。一方、ロサンゼルスの抗議デモは、トランプ政権による移民取り締まりの強化に対する反発が強まる中で発生している。
カリフォルニア州のロブ・ボンタ司法長官とギャビン・ニューサム知事は10日に、大統領によるロサンゼルスへの州兵と海兵隊の派遣を差し止めるよう裁判所に求めた。一方、トランプは「連邦軍がいなければロサンゼルスは今ごろ焼け落ちていたはずだ」と主張した。



