アルバイトでも「使いたくない」が8割
調査では、アルバイトでの退職経験についても聞いた。約6割の学生が「アルバイトを辞めるのに難しさを感じたことがある」と回答している。理由として「自分が辞めると人手が足りなくなって申し訳ない」 「職場の人間関係が希薄で、やめると言い出せなかった」 「辞めると伝えてから実際に辞めるまでの期間が気まずい」といった声が挙がった。
これらは、正社員の退職代行利用理由と共通する部分も多い。しかし、「アルバイトでも退職代行を使いたいか」という質問には83%が「使いたくない」と回答している。

これは、アルバイトは社員と違って法的な手続きや契約上の義務が軽く、形式的な退職は比較的容易であること、費用対効果の観点から「自分で言えば済む話」ととらえられていることなどが理由として考えられる。多くの学生にとってアルバイトは、やめづらさはあっても「お金を払ってまで解決したい問題」とは考えていないことがわかる。
社会人経験の有無が影響か
注意すべきは、今回の調査対象が大学生であって「Z世代全体の調査」ではないという点だ。Z世代には既に社会人として働いている人も多く含まれており、彼らが同じ質問にどう答えるかはこの調査ではわかっていない。実際の労働経験を積むことで、退職代行サービスへの見方も変化する可能性があるといえる。
社会人になり労働市場の現実を知ることで、学生たちの意識は現在の理想論的な回答から、より現実的な判断へと変わっていくのかもしれない。
【調査概要】
調査日:2025年4月29日
調査対象:現役大学生
有効回答数:300人
調査方法:アンケート調査


