「労をねぎらう」の意味とは?
語源と成り立ち
「労をねぎらう」とは、相手が払ってくれた努力や働きに対して感謝や評価の気持ちを伝えることを指す表現です。「労」は「苦労」「骨折り」を意味し、「ねぎらう」は古語の「労(ねぎら)う」に由来します。そこから、相手がかけてくれた手間や苦労への礼を述べる意味合いが生まれました。
つまり「労をねぎらう」とは、単に「ありがとう」と伝える以上に、相手がどれだけ大変なことをしてくれたかを理解した上で労いの言葉をかける行為を指します。
「褒める」との違い
「労をねぎらう」は、努力や苦労という行為そのものを評価するニュアンスが強い言葉です。一方で「褒める」は成果や能力を認める側面が大きく、行動のプロセスよりも結果や出来映えを焦点にする場合が多いといえます。
労いは努力の過程にも目を向けて「大変だったでしょう」「苦労をかけました」という気持ちを示す点が特徴です。
ビジネスシーンでの正しい使い方
プロジェクト完了時
長期にわたるプロジェクトが終わった際は、成果だけでなく、かかった苦労にも触れるようにしましょう。「最後まで頑張ってくれて本当に助かりました。労をねぎらいます。」と伝えるだけで、チームのモチベーション維持に効果的です。
取引先・クライアントへの謝意
外部協力会社や顧客が追加要望に応えてくれたときにも、「多大なご尽力に感謝しております。労をねぎらう気持ちでいっぱいです」と述べれば、相手の手間や時間を慮っている姿勢が伝わります。
ここで「ご多忙のところご対応いただきありがとうございました」と組み合わせると、より丁寧な印象を与えられます。
上司・同僚・部下とのコミュニケーション
上司から部下への言葉かけ
部下が残業続きで業務を乗り切ってくれた場面では、「大変だったね、労をねぎらうよ」と声をかけることで、努力の過程を見ていることを示せます。
形だけの「お疲れさま」よりも「本当に助かった」「今後も期待している」と伝えると、相手は報われた気持ちになりやすいです。
同僚同士の場合
同僚とのやり取りで使うなら「長時間おつかれさまでした。労をねぎらいたいです」と軽めに表現する方法もあります。あまり形式的になりすぎると距離感が出てしまうため、業務の状況に合わせた言い回しを意識しましょう。
上司への使い方
部下から上司に労いを伝えるときは、少し言葉を選ぶ必要があります。「いつも先頭に立ってくださり、労をねぎらう気持ちでいっぱいです」などへりくだった表現を添えると、角が立たず丁寧な印象を保てます。
メール・チャットで労いを伝える方法
メールの例文
「〇〇の案件完了に向けて多大なるご尽力をいただき、誠にありがとうございました。
本プロジェクトは想定以上の工程数でしたが、おかげさまで無事リリースに至りました。
あらためまして、皆さまの労をねぎらうとともに、今後ともよろしくお願いいたします。」
ポイントは「時間や苦労」を具体的に盛り込みつつ、感謝の言葉を明確に書くことです。
チャットの例文
- 「連日の会議対応、おつかれさまでした!改めて労をねぎらいます。」
- 「急な依頼にご対応いただき、感謝です。労をねぎらいます!」
チャットでは形式的になりすぎない表現で、かつ相手に“あなたの頑張りを見ていた”という思いを伝えましょう。
相手に感謝を伝えるベストなタイミング
仕事の大きな節目
担当プロジェクトが一段落したタイミングや、納期達成後などは労いの言葉をかける絶好のチャンスです。苦労が大きい仕事ほど、「終わった瞬間に評価される」ことで人は達成感を得られます。
イベント後のフォロー
展示会・発表会・勉強会など、社内外で大規模に行ったイベントの直後にも、「事後処理を含め、大変ご尽力いただきありがとうございました。皆さまの労をねぎらいたいと思います。」と伝えるのがおすすめです。
ネガティブな文脈との混同に注意
「労を取らせる」は配慮が必要
「労を取らせる」という表現自体は丁寧ですが、ともすると「相手に迷惑をかけた」という意味合いが強く出る場合があります。お礼や申し訳なさを伝えたいときは、「ご負担をおかけしてすみません」「お手数をおかけしました」と使い分けると良いでしょう。
労いが形式的にならないために
日頃から習慣的に「おつかれさま」の一言で済ませると、労いがマンネリ化しがちです。時々は一歩踏み込んで「大変だったね」「ありがとう」という感謝を表現することで、相手の心に届く言葉になります。
類義語・言い換え表現
「おつかれさまでした」
社内で最もよく使われる労いの言葉ですが、「労をねぎらう」ほどフォーマルな印象は薄いです。オフィス内のカジュアルなコミュニケーションなら「おつかれさまでした」が自然に使えます。
「ご尽力を頂き…」
相手が果たしてくれた役割や貢献にフォーカスしたいなら「ご尽力」という言葉が便利です。「今回の成功はひとえに皆さまのご尽力のおかげです」と続ければ、協力や努力に深く感謝しているニュアンスを出せます。
「労苦をいたわる」
やや文語的ですが、苦労を「いたわりたい」という気持ちを伝える表現。「長旅の疲れをねぎらう」というように、身体的負担への気遣いを含む場合に適しています。
例文で学ぶ労いの伝え方
以下はビジネス文書やスピーチでの参考例です。文章をそのままコピーするのではなく、自社の状況や相手との関係性に合わせてアレンジしてください。
- 「大きな課題を短期間で乗り越えていただき、本当に助かりました。あらためて労をねぎらいます。」
- 「ご多忙のところ、夜遅くまでご協力いただきありがとうございます。労をねぎらわせてください。」
- 「プロジェクト初日から最終日まで、途切れなく支えてくださったことに心から感謝し、労をねぎらいたいと思います。」
使い分けチェックポイント
1. 相手の状況を知る
どれだけの負担や苦労があったかを把握しないと、かえって空々しい印象を与える恐れがあります。できる範囲で相手の大変さを汲み取り、言葉に反映しましょう。
2. 感謝が伝わる具体例を添える
「この部分の作業が特に大変だったと思います」といった具体例を示すと、相手は自分の苦労を理解してもらっていると実感しやすいです。結論の「労をねぎらう」に重みが生まれます。
3. シチュエーションに応じた言葉の強さ
大規模プロジェクトと日常的な雑務とでは労の重みも異なります。過度に大げさな表現は誤解を生む可能性があるため、場の空気やコミュニケーション相手を考えながら言葉を選びましょう。
まとめ
「労をねぎらう」は相手の苦労や努力を認め、感謝する意味を持つ表現です。単なる「ありがとう」とは違い、過程への理解を示すからこそ、より深い信頼関係を育むきっかけになります。
- 作業の大変さや時間的負担を尊重する態度が重要
- 大きな節目やイベント後にしっかり労いを伝えるとモチベーション向上に効果的
- 「おつかれさま」「ご尽力」「労苦をいたわる」など表現を変えてマンネリを防ぐ
ビジネスで成功を収めるには、チームメンバーや取引先との良好な関係づくりが欠かせません。労をねぎらうことで相手に「努力を認められている」と感じさせると、協力姿勢がより強固になるでしょう。ぜひ、その場面に合った言葉で感謝と敬意を伝えてみてください。



