食&酒

2025.06.14 14:15

「アジアのベストソムリエ」小澤一貴が描くレストラン業界の未来

小澤一貴氏がオーナーソムリエを務めるレストラン「Crony」

小澤一貴氏がオーナーソムリエを務めるレストラン「Crony」

アジアのベストレストラン50には、「アジアのベストソムリエ賞」という特別賞がある。2025年、「Crony(クローニー)」のオーナーソムリエである小澤一貴氏が同賞に選ばれた。創設されてまだ5年目の賞とはいえ、日本人のソムリエが世界的に評価されることが久しくなかったなかでは、なんとも喜ばしい受賞である。

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「自分が一番びっくりしています。国内では長くお付き合いいただいているお客様も多く、ワインは小澤に任せれば、とおっしゃってくださりお客様もいますが、海外からのお客様に評価されるなんて思っていませんでした。英語はまだまだでブラッシュアップ中ですが、そんなやりとりでも気持ちが通じてくれた方が多かったということは、本当に嬉しいですね」と歓びを口にした。

小澤一貴氏
小澤一貴氏(右)

小澤氏はなぜ、ソムリエという職業を目指したのか。

高校を卒業後は、SEとして働いていた。そんななか、「レストランは上り詰めれば、一流の人と対等に交流できる素晴らしい場である」という話を聞いたのが、強く心に残った。時を同じくして、映画「プリティ ウーマン」で繰り返しでてくるシャンパンを注ぎ、飲むシーンが成功の象徴のように思えたという。

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もともと人が好きだった小澤氏は、対モノを生業とするSEに比べ、対人であるレストランのサービスという仕事に強く惹かれ、「アピシウス」に入店。名実ともにグランドメゾンであるそこで、サービスの基礎から多くの大切なことを学んだ。

26歳という異例の若さでメートル(黒服を着たサービスマネージャー)に抜擢され、その才能を遺憾なく発揮し、2年後に卒業。フォーシーズンズ ホテル丸の内に移りアメリカスタイルのサービス、オペレーションを体得した。

その後は、KENZO ESTATEの立ち上げとともに、約2年間サンフランシスコのナパ・バレーでブドウ栽培やワイン造りから輸入、販売までを学び、帰国。三ツ星レストランカンテサンスに入店という輝かしい経歴に彩られる。

カンテサンスが三ツ星であり続けた理由が、サービス陣の質の高さにも起因していることはいうまでもない。ディレゥクトゥールとしてその陣頭指揮をとっていたのが小澤氏であるが、9年前、カンテサンスで職場を共にした春田理宏氏の才能に惚れ込み、タッグを組んで独立。2016年に「Crony」を開業した。

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