父の日を前に、ワーキングペアレンツ向け転職サービス『withwork』を運営するXTalent株式会社が行った調査で、父親の6割が「子育てと仕事の両立」を理由に転職や異動を検討・実行していることが明らかになった。これまで女性が中心だった育児を、父親も主体的に選びとる時代が本格化してきたことを示している。。
【調査概要】
実施期間:2025年5月7日~2025年5月18日
アンケート対象者:20~60代の男性
有効回答数:264名
調査主体:XTalent株式会社
父親が目指す理想像は「対等」な存在
理想の父親像として最多だったのは「子どもの意思を尊重し、対話を大切にする」。次いで「共に学び成長する」、「パートナーと対等に育児や家事を担う」が続いた。一方「威厳ある家長」や「弱さを見せない父親像」は少数派で、価値観の世代交代が進んでいることがわかる。

子どもの誕生が父親の価値観を変える
また、9割が「子どもが生まれて仕事や家庭の価値観が変わった」と回答。特に働き方に関して、「柔軟性を重視するようになった」「短時間でも成果を意識するようになった」といった声が目立った。父親としての責任感が、働き方改革を個人レベルでも積極的にさせているようだ。

両立を望む一方、最大の壁は「長時間労働」
育児と仕事の両立を望む声は7割以上に上った。20代男性においては6割以上が「可能なら仕事を一時中断してでも子育てに専念したい」と回答している。


しかしその理想の実現を阻む最大の壁は「長時間労働」だ。3割が「両立を実現できていない」とし、その7割が時間不足を理由にあげている。特に日本企業に根付く長時間労働の慣習が、父親たちの意識変革を足止めしているようだ。



転職・異動は“父親としての選択”
育児と両立しやすい環境を求めるため、全体の6割が「子育てと両立できる職場を求めて転職・異動をした/検討した」と回答。一般社員の57.6%が「すでに行動中または予定」と答え、マネージャー層でも5割超が同様の回答をしている。
「仕事人間」という従来の父親像から、「家族のために職場を選ぶ」という判断軸への転換が進んでいることがわかる。



今回の調査結果から見えてきたのは「転職=キャリアアップ」から「転職=家族との生活を整える手段」へと意味づけが変わりつつあるということだ。父親が「仕事より家庭」を理由に意思決定をする姿は、過去にはあまり見ることのない傾向だ。
「イクメン」という一過性の流行語から一歩進み、父親が自らのキャリアや職場環境を再設計する時代に突入している。企業としても採用や人材の定着戦略には、この新しい「父親像」を織り込む必要があるのではないか。
引用元:XTalent株式会社
プレスリリース