海外

2025.05.27 15:00

グローバル決済ユニコーン「エアウォレックス」評価額が8800億円超え 来年にもIPOか

Sidney van den Boogaard / Shutterstock.com

150カ国以上の60通貨に対応

2015年創業のエアウォレックスは、150カ国以上の60通貨に対応する国際送金サービスを提供している。同社のマルチ通貨口座やバーチャルデビットカード、経費管理、決済用プラグインといった製品は、世界で15万社以上の法人に利用されている。顧客にはオーストラリアの航空会社カンタスや、HRソフトのRippling(リプリング)、ファッション小売のSHEIN(シーイン)、中国のオンライン小売大手JDドットコム、テンセント・ミュージック・エンターテインメントなどが名を連ねている。

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エアウォレックスの今年3月時点の年間収益は、前年比90%増の7億2000万ドル(約103億円)以上に達していた。また、グローバルの年間決済処理額は1300億ドル(約18兆6000億円)を超えた。こうした成長を背景に、同社は来年にも新規株式公開(IPO)を検討していると報じられているが、エアウォレックスはその詳細を明らかにしていない。

同社はまた、決済領域にとどまらず、バンキングや資産運用などの金融サービスへと事業を多角化していおり、昨年10月には香港で資産運用業のライセンスを取得した。さらに昨年7月には、オーストラリアの規制当局から小口投資商品の提供を可能にする金融サービスライセンスを取得した。

競合はStripeやRevolut

エアウォレックスは、熾烈な競争を勝ち抜いてこの分野のグローバル大手に成長した。コンサルティング会社EYが2024年に発表したレポートは、「この進化する市場におけるシェア獲得競争は激化している」と指摘しつつ、クロスボーダー決済市場が2030年までに290兆ドル(約4京1400億円)規模に達すると予測していた。

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この分野での変革を形作る主要なトレンドには、シームレスでリアルタイムな取引への需要や、デジタル通貨との統合可能性などが含まれるとEYは述べている。エアウォレックスは今後も、今年2月に年間決済総額が1兆4000億ドル(約200兆円)を記録したと発表したStripe(ストライプ)や、同年に純利益10億ドル(約1430億円)を計上したネオバンクのRevolut(レボリュート)などの大手との競争に直面する可能性がある。

今回のエアウォレックスの調達は、オーストラリアに拠点を置く未上場企業としては過去5年で最大規模のものであり、アジア太平洋地域でのVC投資が減少傾向にある中で実現した。コンサルティング会社KPMGの4月のレポートによれば、この地域の第1四半期の資金調達総額は129億ドル(約1兆8400億円)で、前四半期の189億ドル(約2兆7000億円)から約32%減少していた。一方、世界全体の投資額は人工知能(AI)分野への投資が活発化する中で増加しており、同四半期に1263億ドル(約18兆円)に達していた。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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