女性の一人旅に最適な都市はアラブ首長国連邦（UAE）のドバイであることが、最近の調査から明らかになった。他方で、人権団体は長年にわたり、同国では女性に平等な権利が与えられていないと指摘しており、米国務省も女性が1人で歩く際には注意が必要だと警告している。
旅行保険比較サイト「インシュア・マイトリップ」は、世界62都市を対象に、夜間の一人歩きの安全性、性別にかかわらない安全性、男女平等、国際的な平和と安全指数、ホテルの評価、娯楽の質、1日当たりの平均費用、動画投稿アプリTikTokでの人気度という8つの指標に基づいて各都市を評価した。
首位のドバイに次いで2位に選ばれたのはポーランドのクラクフで、スペイン・マドリード、ドイツ・ミュンヘンがそれに続いた。ミュンヘンは調査対象となった都市の中で最も安全だと評価された。
一方、女性の一人旅に最も適していないとされたのは香港で、次いで米フロリダ州オーランドだった。最も安全でない都市とされたのはインドのデリーだった。
1位のドバイは、夜間の一人歩きの安全性、性別にかかわらない安全性、娯楽の質、ティックトックでの人気度で高い得点を得た。インシュア・マイトリップによると、ドバイの犯罪率は極めて低く、公共交通機関のほとんどに女性専用スペースが設けられている。
だが、同社のウェブサイトはドバイについて、「女性は公共の場では控えめな服装をしなければならないため、到着前に現地の法律と厳格な服装規定を調べておくことが不可欠だ」と注意喚起している。これらの規則に違反すると、禁錮刑や国外追放の対象となる可能性がある。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ（HRW）は、UAEは性別に基づく差別を禁止し、女性が夫に従う法的義務を撤廃するなど「限定的な改革」を行ったと述べている。同団体は、これらの改革は、女性に対するあらゆる形態の差別、特に女性に対する男性後見制度を根絶するには依然として不十分だと指摘した。
