4. 変化に適応できない
今日のビジネス界では、変化への抵抗は悪いリーダーシップの一例だ。変化や成長を恐れるマネジャーは以下のような特徴を持つことが多い。
・「いつもこのやり方でやってきた」という考え方をする
・新しいアイデアを適切な検討なしに却下する
・効果がないという証拠があるにもかかわらず、時代遅れのプロセスに固執する
・自分自身とチームのための新しいスキル開発への投資を怠る
・確立されたルーティンに異論を唱えれられると不快感や苛立ちを示す
変化に後ろ向きなリーダーが率いるチームは気が緩み、リスクを回避するようになる。市場の変化や技術の進歩に機敏な競合他社が適応していく一方で、自分たちは変化や進化を無視するため競争力を失っていく。
対応方法
部下の対処策:変化に後ろ向きなリーダーと働く場合
・新しいアイデアを測定可能な利益と投資利益率(ROI)の視点でとらえる
・提案された変更を会社の既存の価値観や目標と結びつける
・全面的な見直しではなく、段階的に変化を提示する
・同じような改革を成功させた競合他社の例を引き合いに出す
・大幅な変更を提示する前に、支持してもらう体制を固める
リーダーの改善策:自分が変化に後ろ向きだと自覚している場合
・躊躇している根本的な原因(失敗への恐れ、混乱への懸念、現状維持への安心感など)を調べる。
・定期的に業界のイノベーションを調べるようにする
・新しいアプローチやテクノロジーを学ぶための時間を確保する
・管理された環境で変化をテストする「パイロットプログラム」の考え方を取り入れる
・イノベーションを受け入れる傾向のあるチームメンバーにフィードバックを求める
5. 共感と感情的知性が欠如している
他者の感情やニーズ、視点を理解し、それに応えられないリーダーは、人間として大切にされていると感じられない職場環境を作り出す。このような悪いリーダーシップのスタイルはさまざまな形で現れる。従業員の懸念を一蹴する、決定がチームメンバーにどのような影響を与えるかを考慮しない、周りにいる人の気持ちをくみ取れない、従業員の社外での生活にほとんど関心を示さない、周囲への影響を考慮せずに測定基準のみに基づいて決定を下すなどだ。
共感がなければ、リーダーはチームメンバーと真のつながりを築くのに苦労する。同僚のウェルビーイングや仕事への熱意に関する重要な手がかりを見逃す。正しいが配慮のない決定を下し、抵抗や憤りを生み、そして最終的には退職につながる。
対応方法
部下の対処策:共感能力に欠けるリーダーと仕事をする場合
・自分のニーズや決定が、自分自身や自分の仕事に与える影響を明確に伝える
・このようなリーダーは具体的な情報に反応しやすいため、可能な限りデータを使って自分の主張を裏付ける
・可能な場合、自分の懸念をビジネスの成果に結びつける
・同じような懸念を持つ同僚と協力関係を築く
リーダーの改善策:自分のアプローチに共感性が欠けていると自覚している場合
・「この決定はチームメンバーにどのような影響を与えるか」と問いかけ、相手の立場に立って物事を考えるようにする
・チームメンバーを人として理解することに重点を置いた1対1のミーティングを定期的に持つ
・プロによる本格的なトレーニングやコーチングを通じて感情的知性を磨く
・自分の決定がチームの気持ちに与える影響について、匿名のフィードバックを求める
悪いリーダーシップは不可避ではない
部下向け:未熟なリーダーに日々接している人は、困難な状況であっても自分が無力でないことを覚えていてほしい。明確な境界線を設定し、信頼できる同僚やメンターにサポートを求め、自分の役割の中でコントロールできることに集中しよう。
リーダー向け:あなたがリーダーで、自分のスタイルに上記のようなネガティブな要素があると気づいたら、成長の機会として受け入れよう。リーダーシップは特権であり、責任でもある。他人の人生や暮らしに直接影響を及ぼす。継続的な改善に取り組み、フィードバックを受け入れる姿勢を保つことで、あなたの指導のもとで人々がただ生き残るだけでなく真に成長するような、ポジティブな影響を与えるリーダーとしてのレガシー(遺産)を築くことができる。


