映画

2025.05.23 16:15

「ミッション:インポッシブル」最新作 シリーズ最後の作品となるのか?

トム・クルーズの身体を張ったアクションが展開される「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」©2025 PARAMOUNT PICTURES.

トム・クルーズの身体を張ったアクションが展開される「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」©2025 PARAMOUNT PICTURES.

シリーズ第8作目となる「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」が、ついに公開された。

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当初この作品は「ミッション:インポッシブル/デッド・レコニング PART TWO」というタイトルでインフォメーションされていたが、その後サブタイトルから「PART TWO」が削除され、「デッド」に代わって「ファイナル」が加わった(原題は「Mission: Impossible – Dead Reckoning Part Two」から「Mission: Impossible – The Final Reckoning」に)。

新たに「ファイナル」という言葉が冠せられたために、この作品がシリーズの「最終作」になるのではないかとも噂されていた。これで本当にピリオドが打たれるのかどうかはさて置き、この作品がこれまでの7作品を俯瞰しながら、それらを「統合」する意図でつくられていることだけは確かだろう。

それは作品の冒頭からも窺える。なにせイーサン・ハントへのいつもの「指令」はアメリカ大統領自身からであり、過去のハントの活躍を列挙しながら(過去の映像も流れる)、新たなミッションを依頼するからだ。ここでまず、この作品がシリーズの集大成であることがさりげなく知らされる。

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イーサン・ハント(トム・クルーズ)に伝えられた今回のミッションはアメリカ大統領自らのものだった©2025 PARAMOUNT PICTURES.
イーサン・ハント(トム・クルーズ)に伝えられた今回のミッションはアメリカ大統領自らのものだった©2025 PARAMOUNT PICTURES.

始まりはテレビドラマシリーズ

「ミッション:インポッシブル」シリーズの第1作は、約30年前の1996年に公開された。日本では「スパイ大作戦」(原題「Mission: Impossible」)というタイトルで放送されていたアメリカのテレビドラマシリーズをリブートするというかたちで製作された。

「スパイ大作戦」では冒頭、テープレコーダーなどでミッションが伝えられ、<君もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する>という決まり文句が毎回流れるのを、覚えている人も多いのではないだろうか。

映画シリーズの第1作目となる「ミッション:インポッシブル」(ブライアン・デ・パルマ監督)は、主人公イーサン・ハントを演じるトム・クルーズが初めてプロデュースを手がけた作品でもあり、彼が自ら設立した映画製作会社「クルーズ/ワグナープロダクションズ」が初めて世に送り出した作品でもあった。

第8作目を数えるいまでこそ、トム・クルーズが手がけるのにふさわしい人気シリーズとはなっているが、最初は「時代遅れのテレビドラマをどうしていまさら」と周囲の反応はいまひとつだったという。それを「アイデアがある」として、トムが強く企画を推し進めたかたちだったのだ。まさに先見の明があったと言ってもいいかもしれない。

そこからほぼ4年おきくらいのペースで、このシリーズは製作され続けてきた。第1作のブライアン・デ・パルマに始まり、以下ジョン・ウー(「M:I-2」2000年)、J・J・エイブラムス(「M:i:III」2006年)、ブラッド・バード(「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」2011年)と、第4作目まで名だたる監督がメガホンを取ってきた。

最新作でイーサン・ハントはIMF(Impossible Missions Force)の仲間たちちと「不可能なミッション」に取り組む©2025 PARAMOUNT PICTURES.
最新作でもイーサン・ハントはIMF(Impossible Missions Force)の仲間たちちと「不可能なミッション」に取り組む©2025 PARAMOUNT PICTURES.
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文=稲垣伸寿

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