米国では経済不安と大量解雇が続いており、労働者は失業を心配する毎日にうんざりしている。そして、フリーランスとして働くことで、より大きな自律性と、金銭的な自由を手に入れようとしている。
副業に関する情報を提供するオンラインプラットフォームSideHustles.comの統計データによれば、解雇された労働者の3人に2人が、フリーランスとしてより幸せに働いているという。また、従業員の5人に1人が、伝統的な職場にはびこる「えこひいき」から逃れるため、フリーランスとしての活動を始めたり、ビジネスを立ち上げたりしている。そして、フリーランスは2024年に全体で1兆5000億ドル(約218兆円)を稼ぎ、その多くがフルタイムの従業員より高い収入を得ている。
大きな変化:フリーランスが勢いを増している
米国では今、働き方に大きな変化が起きている。伝統的な仕事から離れ、フリーランスの仕事に移行する人が増えているのだ。突然なくなるかもしれない仕事に従事することはストレスであり、人生をコントロールしにくくなる。
米国の労働者にとっては今、「フリーランス」という言葉が大きな響きを持っている。フリーランスとして働けば、船の乗客ではなく船長になれる。従業員の利益を第一に考えていない大企業に、運命を左右される立場ではなくなる。米国労働者の約半数が副収入源を確保しており、その数は増加傾向にある。
フリーランス人材を仲介する世界最大級のプラットフォーム、Upworkの研究機関であるUpwork Research Institute(アップワーク・リサーチ・インスティチュート)がスキルのある知識労働者3000人を対象に行なった調査では、伝統的な「9時から5時の仕事」から離れる傾向が明らかになり、米国で働き方に変化が起きていることが示唆されている。米国の労働者はキャリア、経済力、仕事の意味に対して、より大きな自己制御力を求め始めている。
アップワークのリポートでは、フリーランスがフルタイム従業員を上回っている点として、収入力、AIの採用率、高成長分野の専門知識、AI統合に不可欠なヒューマンスキルが挙げられている。フルタイムで働く場合、フリーランスは正社員より高い収入を得ている。年収の中央値は8万5000ドル(約1240万円)だ。また、正社員として働きながらフリーランスの知識労働に従事している人は、正社員の給与に加えて、4万ドル(約580万円)を稼ぎ出している。


