ヘルスケア

2025.05.13 13:00

「出会い」疲れが心をむしばむ? 悪影響を受けずにデートアプリを利用する方法

Bangkok Click Studio / Shutterstock

より健康的なデジタルマッチングへの道

そうした問題があるとはいえ、デートアプリはかならずしもメンタルヘルス上の危険地帯というわけではない。設計や使用にもう少し気を使えば、つながりを作るための有意義で効果的なツールになる。

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新興のプラットフォームのなかには、すでに流れを変えようと試みているものもある。「Snack(スナック)」や「Tame(テイム)」などのアプリは、ハイスピード/ハイボリュームのモデルから脱却しつつある。具体的には、1日あたりのスワイプ回数制限、深みのあるプロフィールのプロンプト、相性を重視するマッチングアルゴリズムなどの機能を導入している。そうしたスローなマッチング機能は、即効性の満足よりも、感情の共鳴に重きを置くものだ。

だが、倫理的なアプリ設計は、解決策の一部でしかない。デジタルマッチングにどう関わるかについて、「ユーザー側が主導権を取り戻す必要もある」と専門家は強調する。

実用的な戦略としては、次のようなものがある。

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・明確な時間制限を設ける:たとえば1日20~30分のように、アプリ使用の制限時間を意図的かつ具体的に設定する。だらだらとスクロールすることを減らせば、不安を和らげ、全体的な気分を改善する効果を得られるかもしれない。

・量より質を重視する:はてしなくマッチを求めるのではなく、少数の有望な相手との間で、意味のある会話を持つことに集中する。意識的に関われば、数を追い求めるよりも、満足感がはるかに大きくなる。

・自分の精神状態に注意を払う:デートアプリの使用前後に、少し時間をとって、自分の気分をチェックする。使用のたびに気分が落ちこんだり、不安になったり、自分に批判的になったりするなら、それは、少し離れてひと息つけというサインだ。

・意図的にオフラインへ移行する:マッチ度の高い相手とのやり取りを、早めにリアルな世界での会話に移す。人とのつながりは、編集されたデジタルプロフィールではなく、共有する空間で育まれるものだ。

・拒絶を普通のことと考える:マッチングの「成功」が意味するところを定義し直し、広く受け入れられることではなく、気の合う相手を見つけることと考えよう。「ノー」と言われるたびに、感情面でも、精神面でも、関係の面でも本当に自分に合った「イエス」に一歩近づくのだ、と。

・セルフコンパッションを実践する:マッチング、とりわけ現代のデジタルファーストな世界でのマッチングは、感情面での負荷が大きいことを忘れずに。良いときにも悪いときにも、必ず生じる気まずい瞬間にも、自分にやさしくしよう。

・専門家のサポートを求める:アプリの使用により、不安、うつ症状、ボディイメージに関する問題がしつこく続くようなら、デジタルウェルネスや人間関係に関する心理学で経験を積んだメンタルヘルス専門家に相談することを検討しよう。

現代の世界でいちばん健全なマッチングのやり方は、より速くスマートにスワイプすることではなく、もっとマインドフルにスワイプすることかもしれない。現実の感情的健康を、アルゴリズムに任せることはできないのだと認識しよう。

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翻訳=梅田智世/ガリレオ

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