「部活動を学校から完全に切り離すべき」と主張
どうすべきかという問いに、すぎやま元教師は部活動を学校から完全に切り離すべきと提言する。「塾や習い事と同じように、やりたい人が自己責任で事業としてやればいい」。SNSで発信すると、賛否両論巻き起こり、「覚悟が足りない」「生徒の青春を潰すのか」という反論も出る。
しかし、著者は「部活を守って、学校教育が崩壊してしまっては本末転倒」と再度強調する。
少子化と相まって、活動停止になっている部も多い様子だ。中学全国大会の9競技がすでに廃止されていると現状を憂う。教員志望者数は右肩下がりで、昨年度熊本市で追加募集しても定員割れした現実が紹介される。その理由として書かれるのが、熊本市は今後、部活動の「地域移行」を見送ると発表したこと。「SNSでの口コミに敏感なZ世代がこういった動きに反応した」と考察する。
おそらく、全員が納得する答えは出ない。部活動の在り方に対しては、百人百様の考え方がありうると私は考える。なぜなら、各人がそれぞれ異なる部活(=人生)経験をしているからだ。
私は高校の卒業文集で級友のK君が書いた文章を思い出す。新聞配達(夕刊)のアルバイトをするため文化部に入ったら幽霊部員ばかりで、バイトは続けられた。「ユウレイ部員即無気力ダメ、としてしまう向きの人もあるかもしれないが、ユウレイにも三分の理というのを認めて」
すぎやま元教師に全面的には賛同はできないが、うなずける部分は多々ある。
将来なりたい職業を中学生にアンケートした結果、2009(平成21)年は、「学校の先生」(保育園・幼稚園を除く)が男子4位、女子9位だったのが、2024(令和6)年になるとベストテンから完全に外れた。
あるベテラン体育教師はこう嘆く。
「スポーツの専門性をもつ教員の“選手層”が薄いなかで部活顧問をやりたいという人は一部。でも中学生は伸び盛りで、指導者で全然成果が違う。技術だけでなく心も成長する。そこのはざまで悩む。しかも、最近は情報ITだの、とってつけたような研修も増えて、教員の働き方改革は行き場をさまよってる」
さきほど書いたように、私自身にもいい考えは浮かばない。ただ、教育への関心をずっと持ち続けてきた者として、ある提言をした精神科医を紹介したい。


