働き方

2025.05.06 10:00

88%の労働者が「燃え尽き」実感、超長期の有休休暇を導入する米国企業が増加

Gorodenkoff / Shutterstock

会社を変える、サバティカル休暇のメリット

心身両面における活力の回復

通常の休暇は短期的なカンフル剤にしかならないが、サバティカル休暇には、それとは異なる長期的なメリットがあることが研究で判明している。

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学術誌『the Journal of Applied Psychology』に掲載されたある研究によると、サバティカル休暇には、ストレスを軽減するとともに、心身の健康を育むというメリットがあり、その効果は、復帰後も長く持続するという。

長期休暇の期間中、従業員は、職場からのプレッシャーを完全に断ち切り、心身の活力の回復に専念できる。より短期間の休暇では、仕事上の懸案によって休みがたびたび中断されるような事態もありがちだが、長期休暇ではそうしたことは起きない。

プロフェッショナルとしての成長と、新たなスキルの習得

サバティカル休暇では、他では得られないキャリアの成長機会が得られる。具体的には、以下のような機会だ。

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・講座参加や資格取得を通じた、新たなスキルの習得
・ボランティア活動による、リーダーとしての能力開発
・旅行を通じた、異なる文化の探究
・個人的に興味を持つプロジェクトを追求することによる能力の構築

仕事へのコミットメント向上や新たな視点の獲得

企業にとって最も大きなメリットはおそらく、サバティカル休暇から戻った従業員のコミットメントが向上し、新鮮な視点を提供してくれる点だろう。

長期休暇は従業員に、仕事からの距離を取り、自己を見つめ直し、自らの中核となる価値観を再発見する、またとない機会を与えてくれる。

サバティカル休暇から戻った従業員は多くの場合、目的意識がより明確になり、仕事に対する新たな視点を持ち、気力も回復し、所属する組織にとってプラスとなる、独創的なアイデアを提案できるはずだ。

職場におけるサバティカル休暇の未来

職場における燃え尽き現象が悪化の一途をたどり、従業員が自身の心身の健康を最優先にするなかで、サバティカル休暇はメジャーな制度となりつつある。その導入には、ある程度の投資が必要になるが、燃え尽きの軽減や離職の防止、創造性の発揮、レジリエンスの強化といったリターンを考えると、先見性のある企業にとっては十分に価値ある投資だといえるだろう。

5人に1人の従業員が毎日退職を考えるという状況のなかで、サバティカル休暇は、単なる福利厚生という以上に、意味のあるメリットをもたらす。つまり、「時間という贈り物」だ。

サバティカル休暇は従業員に対して、キャリア上のメリットも維持しながら、個人的な夢を実現し、心身の回復に取り組む時間を提供する。従業員と。雇用主である企業の双方にとって、ウィンウィンと呼べる制度だろう。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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