働き方

2025.05.06 10:00

88%の労働者が「燃え尽き」実感、超長期の有休休暇を導入する米国企業が増加

Gorodenkoff / Shutterstock

3. イノベーションや創造性を育む

絶えず締め切りのプレッシャーにさらされている環境では、創造的思考ができる余地はほぼないも同然だ。サバティカル休暇で得られる、何をしてもいい自由な時間は、イノベーションには不可欠な要素だ。

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『ハーバード・ビジネス・レビュー』に掲載された調査結果によると、サバティカル休暇から戻ったリーダーの75%が、組織に対する新鮮なビジョンが得られたと回答した。そのようにして得られた新たなアイデアを実行に移せたと回答した者の割合も半数近くに達した。

長期休暇は、差し迫った課題から一歩引いた視点を持ち、日々の仕事に追われている間には見えなかった可能性に気付く機会となるはずだ。

4. 他社との人材獲得競争で有利に立てる

人材獲得競争が進行しているなかで、サバティカル休暇は、強力な差別化要因として威力を発揮している。WorldatWork(ワールドアットワーク)の調査によると、公式なサバティカル休暇制度を持つ米国企業の割合は、2016年から約2倍に増えている。

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例えば、ソフトウェア会社のSalesloft(セールスロフト)では、6年以上勤務している従業員に、6週間の有給サバティカル休暇を付与し、さらに、この休暇をすべての対象者がフル活用できるよう、1万ドル(約145万円)の手当も支給している。アドビやインテル、セールスフォースといった他の企業も、プログラムを導入して成功を収めている。

5. 働き手の疲弊の根本にある原因を解決できる

燃え尽きが生じるそもそもの原因を解消するには、従業員が本当に必要としているものを理解することが不可欠だ。従業員に対して、燃え尽きを軽減させるにはどういう対策が適切かを尋ねたMyPerfectResumeの調査では、短期の休暇ではとても解決できない、根の深い問題が浮き彫りになっている。

・27%は、給与の引き上げが必要だと回答
・22%は、各人の職務を、より明確にしてほしいと要望
・21%は、柔軟性や自主性をもっと重んじてほしいと述べた
・21%は、昇進が必要だと回答
・20%は、業務負担の軽減を望んだ

サバティカル休暇は、これらの構造的な問題に対処するために必要な、長い時間や、心の余裕を与えてくれる。従業員はこうした休暇を取ることで、通常業務のルーティンから一歩引くことができ、自身のキャリアや、大切にする価値観、優先すべきことに関する新たな視点が得られるはずだ。これらの知見は、その場しのぎの域を超えた、意味のある職場改革につながる可能性を持つ。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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