東南アジアの「IT革命」はゲームから

「Garena+」は東南アジアの主要ゲームタイトルを提供している。(Courtesy of Garena)

シンガポールで初めて1,200億円規模に達したゲーム会社が“ゲーム会社”の枠を超越しようとしている。次々とプラットホームを開発し、東南アジアのIT市場を席巻している「ガレナ」の成功の秘密とは。

企業がまず成長段階で超えなければいけない壁が「ユーザー数の確保」だ。検索エンジン事業やSNS事業でユーザーを獲得する企業が多いなか、東南アジアのIT市場で成長著しい「ガレナ」は、これをゲーム事業で成し遂げた。

フォレスト・リー(37)が2009年に創業したガレナは、10年にオンラインゲームプラットホーム「Garena+」を発表。ゲームにソーシャル機能を付け加えることで東南アジアのゲーム市場に新風を巻き起こし、シンガポールのIT業界で一躍トップに躍り出た。

その後もゲームプラットホームを基盤にガレナは電子サービスを開発し、着実に影響力を広げている。これまでに、コミュニケーションやソーシャルネットワーキング、そして、オンライン決済のためのサービスを発表。ユーザー数は1.4億人に増加し、企業価値は3兆円にまで上昇した。

とはいえ、収益の半分以上は今でもゲーム関連のバーチャルグッズからきている。今後も、市場規模1.6兆円というアジア太平洋地域の巨大ゲーム市場での影響力の拡大を目指す一方で、7月にはeコマースプラットホーム「Shopee」を発表し、競争相手を突き放したいと考えている。

ジェシカ・タン = 文 ムンシ・アーメッド = 写真 フォーブス ジャパン編集部 = 翻訳

この記事は 「Forbes JAPAN No.14 2015年9月号(2015/07/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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