船の旅はいい。大海原に乗り出す高揚感、壮大な景色、ほんのひととき船乗りになった気分が味わえる。クルマといっしょに乗れるフェリーなら、旅の行動範囲がぐんと広くなってありがたい。それに何より運賃が安い。しかし、そう考えるのは男だけのようだ。船と聞いただけで大喜びするのは男と子ども。女性はもっと冷静に、移動手段としての価値を見極めていた。
2011年、インドネシアで創業し、その後世界各地に展開したフェリーのチケット予約プラットフォーム、Viaferry.com(バイアフェリーコム)は、日本でのサービス開始を見据えて、日本の成人男女1000人を対象にフェリーの利用に関するアンケート調査を実施した。それによると、フェリーで旅行をしたことがない人が約6割と、少々残念な結果が示された。また、男性にくらべて女性はフェリーの旅を躊躇する傾向が見られた。
フェリーに乗ったことのある人に印象を聞くと、全体的に「良い」という評価が非常に高く、「悪い」はごく少数だった。ただし男女で多少の違いがある。「非常に良い」は男女とも同レベルだったが、「良い」は男性が圧倒的に多く、「普通」は男性が極端に減って女性が多くなる。つまり、女性のほうがやや厳しい。
フェリーの旅で重視する点を聞くと、トップが「コストパフォーマンス」で「快適さと設備」がそれに続いた。ここでも男女差が目立つ。コスパは男性が圧倒的に多く、快適さと設備は女性の割合がきわめて高かった。フェリー旅の評価と照らし合わせると、女性の評価が男性ほど高くないのは「快適さと設備」に問題があるように思われる。



