この考えを裏付けるデータもある。英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの縦断研究センター(Centre for Longitudinal Studies:CLS)のGeorge Ploubidis教授は、「若い世代は年上の世代ほど健康ではない」とする研究結果、「The generational health drift」を発表している。
数十年にわたる追跡調査によって、人々の健康状態は世代を追うごとに、身体的にも精神的にも悪化していることが明らかになったという。その結果が示しているのは、以下のようなことだ。
・慢性疾患の患者の増加:1945年以降に生まれた人たちと年上の世代を比較したところ、同年齢の時点での慢性疾患(がん、肺疾患、心疾患、糖尿病、高コレステロール血症など)の発症率が上昇していた。
米紙ニューヨーク・タイムズ紙は2025年4月、「若い世代ほど、若いうちにがんと診断される人が増えている」との研究結果を伝えている。
・就業不能率の上昇:戦前世代において低下していた就業不能率は、1945年以降に生まれた世代では低下の速度が鈍化したり、上昇に転じたりしている。機能的制限を受ける人は、より若い世代において増加している可能性があると考えられる。
・メンタルヘルスの問題:若い世代の方が、年上の世代よりも心理的苦痛など、メンタルヘルスに問題を抱える人の割合が高くなっている。『アドレセンス』は容赦なく、この問題に切り込んでいる。
13歳のジェイミーは、父親に認めてもらおうと必死だ。だが、以前は野球がうまくできないことで、今は刃物を使った暴力のことで、父親は息子を恥じている。父親は、実の息子を見ることさえできないのだと認める。息子は自身の人生、家族、そして地域社会を大混乱に陥れる。
ドラマの筋書きにおいて、少女が命を奪われることは、ほとんど付随的な出来事だ。文明の衰退を描いたこの物語の中で、この少女は巻き添え被害に遭ったのだ。
このドラマは、まさに時代精神の中核を成す、そしてその影響が世界全体に広がっている3つのテーマを取り上げたものだ。不幸に見舞われた親業、ジェンダーを巡る暴力的な衝突、そして異世代間の苦悩は、ますます混乱する時代において私たち人間が抱える、最も根深い恐怖を映し出している。


