映画

2025.04.26 16:00

依然人気のNetflix『アドレセンス』が80カ国の「親」を震わせた3つの理由

Courtesy of Netflix

・男性らしさを巡る混乱:ジェンダーに関する議論は、女性のエンパワメントに重点を置いたものとなってきた。だが、同時にそれは、男性と少年たちに孤立をもたらした。男性らしさは否定的に表現されることが増え、即座に「有害」とのレッテルを貼られることもある。そして、男性らしさに関して建設的、または向上心を与えるようなモデルが提示されることが大幅に減少している。

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・政治的関心の欠如:公共政策や教育改革に関する議論の多くは、今も少女や女性たちへの支援を重視しており、特定の問題に関する少年や男性たちの葛藤に目を向けていない。女性たちにとって大きな不安となるのは、蓄積されたフラストレーションや怒りは、暴力という形に表れる場合も多いということだ。

ドラマの舞台、英国では何が起きている?

『アドレセンス』では、特に女性の臨床心理士が主人公の少年にインタビューする場面を描いたエピソード3では、追い詰められ、限界に達した男性が怒りを爆発させ、暴力的な攻撃に出る場合があることを力強く描いている。

そのほかインターネット上では、男性たちに自らを不公平な政策や女性が優遇されることの被害者だとみるよう仕向けるような傾向もみられる。

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JoeyCheung / Shutterstock.com
JoeyCheung / Shutterstock.com

このドラマシリーズが制作された英国では、性暴力の増加が続いている。2022年3月までの1年間に「イングランドとウェールズの警察が記録した性犯罪の件数は、過去最多を記録」している。また、女性に対する暴力は2013年から急増し始めており、ゾッとすることに、その大半がパートナーによる犯行だった。

一方、ジェンダーに関する若い世代の考え方の違いも指摘されている。価値観や政治に対する考え方は「世界的に」、男性の間でますます保守的になる一方、女性たちはよりリベラルになる傾向がある。

ジェンダーに関するこうした問題と、それが生物学的にはペアになるようにプログラムされた若者たちの間に作り出す孤独な深い隔たりは、社会の平和と安定にとって、幸先が良いものではない。

『アドレセンス』では、こうした問題と恐怖のすべてが増大していき、憤りと怒りに満ちた男たちによる女たちの排除という最も恐ろしく、象徴的な結着に至っている。

世代の変化と悪化

『アドレセンス』が追求するのは、確定的な、耐え難い考えだ。子どもたちの暮らし向きが、私たちのそれよりも良くなることはないのだろうという考え、将来の世代は、先人たちの成し遂げたことをさらに進めていくという昔ながらの夢をみるのではなく、いわば精神的、身体的に問題を抱えた限定的な状態から、抜け出せなくなるという考えだ。

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編集=木内涼子

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