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2025.05.22 10:45

【7月号刊行記念】映画「007」の潜水車、一万年時計、地下シェルター─ビリオネアたちの仰天買い物

メガヤット「Koru(コル)」乗船のベゾス氏とサンチェス氏(Getty Images)

メガヤット「Koru(コル)」乗船のベゾス氏とサンチェス氏(Getty Images)

何を買うかにその人の理想と世界観が詰まっている。(中略)何をどうやって買ったかは「成功への道」とも言い換えられるはずだ」

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———『Forbes JAPAN 7月号』 大扉より)

『Forbes JAPAN 7月号 Buy The Future 未来は買える ビリオネアランキング2025』では「1000億ドル富豪」15人を一挙発表するほか、目玉は、イーロン・マスクによって恩恵を受けた人たちの素性、トランプ大統領の驚きの錬金術、そして注目のレポートが暗号資産1兆2000億円を気づいた若い中国人起業家のインタビュー。トランプ大統領に憧れ、トランプ氏に接近して急速に蜜月関係を結んだことで、彼はいかにしてビリオネアになったか。詳細にレポートする。

また、特集では「未来は買える」と題して、ジョン・レノンのマンションを買ったK−1実行委員長やレイ・ダリオ親子が行うすごい調査、あるいは未来を構想したスマートな企業買収を行なっている「M&Aの買い手企業リスト」など盛りだくさんで紹介する。

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その7月号刊行を記念して、本稿では、イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ビヨンセ&JAY-Z、スティーブン・スピルバーグ、ビル・ゲイツらが「これまでに買ってきたもの」の例を、香港在住のインタビューライター、堀江知子氏による寄稿で紹介したい。


Forbes2025年版の世界長者番付が発表された。年間でおよそ8000万ドル—日本円にして120億円以上を動かすとも言われるビリオネアたち。そんな彼らの買い物には、意外な夢やこだわりが隠れている。一体どんなものに惹かれ、何を手に入れているのか? 今回は、そんな「ビリオネアの買い物」をのぞいてみよう。

1. 
イーロン・マスク/テスラ社CEO
購入金額:約100万ドル(約1億5000万円)

「サイバートラック」を背景に、トランプ氏と演説を行うイーロン氏(Getty Images)
「サイバートラック」を背景に、トランプと演説を行うイーロン・マスク(Getty Images)

2013年、テスラCEOイーロン・マスクは、映画『007 私を愛したスパイ』(1977年)に登場した潜水カー「ロータス・エスプリ」を約100万ドル(約1億5000万円)で落札した。映画の中で水中に潜るこの車は“Wet Nelly(ウェットネリー)”の愛称で知られ、少年時代のマスクの憧れだったという。

彼は当初、この車を実際に水中を走ることができる本物の潜水カーに改造する構想を語っていたが、この試みを断念。しかしこの発想は、その後にまったく別の形で実現する。

2019年、テスラ社が発表したピックアップEV「サイバートラック」は、直線的なデザインとステンレス鋼の装甲ボディで話題となった。マスク氏本人がXで投稿しているように、この未来型の車は、まさに『007』の映画の「ロータス・エスプリ」からインスピレーションを受けたものだった。

2023年に量産が開始されたサイバートラック。当初は、100万台以上の予約があるとマスク氏が語り大きな注目を集めたが、実際の販売はそれに遠く及ばなかった。2024年の販売台数は4万台にも届かず、リコールやマスク氏の政治的発言への批判なども重なり、厳しい船出となっている。

SupercarBlondie

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文=堀江知子 編集=石井節子

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