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ビル・ゲイツ/マイクロソフト創業者
購入金額:3080万ドル(約46億2000万円)
1994年、ビル・ゲイツはレオナルド・ダ・ヴィンチの日記ともいえる「レスター手稿」を3080万ドル(約46億2000万円)で落札。この72ページの手稿は、水の流れ、天文学、大地の仕組みなど、ダ・ヴィンチの科学的探求心を示す貴重な資料だ。
購入後、ゲイツは全ページをデジタル化し、オンラインで一般公開した。また、1年に1度の巡回展示も実施しており、2005年には、六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで展示された。デジタル化により、手稿は誰でもオンラインで閲覧可能。
ゲイツの買い物は「所有しながら、知を分け合う」というビリオネアの新しいタイプの買い物スタイルといえよう。
イーロン・マスクの少年の夢から、ビル・ゲイツの知的遺産まで、ビリオネアたちの買い物に共通するのは、桁違いの金額よりも「そこに込められた意味」だ。彼らが手にするのは、ただのモノではなく、自分らしさの表現。超富裕層の買い物には、こういったビリオネアの自分らしさや生き方そのものが表れている。
堀江知子(ほりえ・ともこ)◎香港在住のインタビューライター。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。民放キー局で15年以上にわたり、アメリカ政治や国際情勢の取材に携わる。2022年からはアフリカ・タンザニアに拠点を移し、フリーランスとして独立。現在は香港を拠点に、グローバルに活躍する日本人の姿や、現地発のレポートを国内外のメディアに届けている。著書に『40代からの人生が楽しくなる タンザニアのすごい思考法(Kindle版)』がある。


