今回のフリーズ・ロサンゼルスは、2月20日から4日にわたって開催された。だが、実際にはその開幕のちょうど1週間前から、「パーティー」は始まっていた。
ベニスにあるギャラリー、アーケイン・スペースは、開幕前週の金曜日、14日に「ARTISTS for LA」との提携によるイベントを開催。50人のアーティストの作品を展示・販売し、被災したアーティストや業界関係者を支援する「LA Arts Community Fire Relief Fund(LAアーツコミュニティ火災救済基金)」などの団体に収益を寄付した。
参加したアーティストには、リタ・アルバカーク、トレバー・アルバート、サチ・モスコウィッツ、マット・マハーリン、エド・ルシェ、サム・ジョーンズ、ローレン・ボンなどがいる。
その翌週、18日には映画プロデューサー、グラスカ・テイラーのベルエアにある自宅で、カルチャード・マガジン誌がカクテル・パーティーを開催。同誌のエディター、サラ・ハレルソンはスピーチで、奈良美智の彫刻作品の購入を通じて、「Grief and Hope」などの支援団体に寄付を行ったテイラーをたたえた。
そのほか、ハウザー&ワースDTLAやデイヴィッド・ツヴィルナーなどいくつもののギャラリーが、フェアの開幕前に独自のイベントを実施した。
10日間の「祭典」に
多くの人が開催不可能だと考えた、あるいはタイミング的に不運に見舞われたと考えた4日間のアートフェアは、実際には興味深い、そしてアートへの理解を持つ人々が集まり、語り合い、情報を共有する10日間の一大イベントとなった。火災で大きな打撃を受けた被災者を支援するための寄付金は、多額にのぼっている。
──いずれにしても、サンタモニカ空港で行われたフリーズ・ロサンゼルスを訪れた人たちは誰もが静かに(あるいはそうでもなく)、ロサンゼルスの「アンセム」のようにもなっているランディ・ニューマンの「I love LA」のフレーズを口にしながら、会場を後にしたのではないだろうか(2月2日に行われたグラミー賞授賞式では、被災した地元のバンド「Dawes(ドーズ)」などが、この曲を演奏した)。


