欧州

2025.04.01 10:00

ウクライナ軍の誘導滑空爆弾にロシアも電波妨害で対抗 補完の航法システムが鍵に

英フェアフォード空軍基地上空を飛行するウクライナ空軍のスホーイSu-27戦闘機。2018年7月13日撮影(VanderWolf Images / Shutterstock.com)

それは普通、慣性航法システム(INS)ということになる。慣性航法システムは、ジャイロスコープと加速度計によって自らの位置を追跡する、完全に自己完結したシステムだ。ロシア空軍系のテレグラムチャンネル、Fighterbomberも「未来は自律的なINSにある」と言っている

ウクライナ軍の保有する最高峰の弾薬であるAASM滑空爆弾と米国製JDAM滑空爆弾は、補完的なシステムとして慣性航法システムも備えている。

対照的に、ロシアの慣性誘導バックアップは精度が低い傾向にある。アナリストのマーク・シュナイダーは2022年、米海軍の専門誌プロシーディングスに寄せた論考で、ロシアのミサイルの命中精度はメーカーが主張する10分の1程度であることが少なくないと論じている。

ウクライナ軍とロシア軍は空中を電波ノイズで満たすことで、互いに相手を、衛星通信を必要としない精密弾薬に頼るように仕向けられるかもしれない。ウクライナ側の慣性航法システムがロシア側の慣性航法システムより優れている限り、こうした電子制圧戦ではウクライナ軍に分があるはずだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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