2017年の研究では、支配的な人はパートナーを計画的に孤立させて十分なサポートを受けられないようにし、2人の暮らしを可能な限り狭い範囲に留めようとする傾向があることが示唆されている。こうすることで、強圧的コントロールを受けている側は相手のニーズのみに注意がいくようになり、不健全な関係であることに気づいたときには頼る相手がいない状態になっている。
友人や家族に会うことにパートナーが難癖をつけたり、あるいは誰といっしょにいるのかを常に尋ねてくるような場合、そうした行動は自分を守ろうとしてくれているがゆえのものだとして片付けてはいけない。パートナー以外の頼れる人を常に確保しておくことは、将来命綱となる可能性がある。
2. 「許可なしには外出できない」あなたの行動を制限する
パートナーの「許可」なしには外出がままならないのであれば、それはもう危険信号だ。同様に、パートナーを安心させるためだけにあなたが特定の場所を避けているなら、冷静にパートナーとの関係を再評価した方がいい。
最初は無害に見えることでもすぐにエスカレートする可能性がある。パートナーが安全のためにあなたの行く先を把握しておきたいと思うことと、あなたが行っていい場所、行ってはいけない場所を「熱心」に管理しようとすることは紙一重だ。強圧的コントロールを行う人は、自分が支配的な立場にあることを誇示するためにあらゆる手段を講じることが多く、ルールに逆らうと深刻な結果を招くことをさりげなく、あるいはあからさまに示す。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に虐待がエスカレートしたことを取り上げた2021年の研究では、虐待を受けたある女性の例が紹介されている。その女性のパートナーは女性が飛行機に乗れないよう、女性がコロナ陽性と診断されたと航空会社に嘘をついたという。
支配的なパートナーは、あなたを仕事に行かせないようにしたり、携帯電話のパスワードや位置情報に常にアクセスできるようにすることを求めたり、あるいは公共交通機関やライドシェアなどの利用を制限したりすることもある。あなたの行動が監視または管理されている場合は深刻な危険信号だ。信頼できる誰かに打ち明け、必要であれば安全を確保しながらパートナーから離れる計画を検討し始めることをお勧めする。
