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欧州

2025.03.03 09:00

ウクライナ軍が東部要衝トレツクで反撃進める 米大統領の「行き詰まり」主張も粉砕

Shutterstock.com

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米ホワイトハウスの大統領執務室で2月28日、記者団に公開されていた会談冒頭で、ドナルド・トランプ米大統領とJ・D・バンス米副大統領から、米国の援助に感謝していないなどと事実に反する非難を受けたウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領が、2人に堂々と立ち向かったのには相応の理由がある。

トランプは惨事となったこの会談の席で、ゼレンスキーとウクライナは「あまり良い立場にない」と主張した。だが、実際のところウクライナ軍は、ロシアによるウクライナに対する全面戦争のおよそ1300kmにわたる戦線の少なくとも2つの重要な方面で反撃を行っている。

つい数カ月前まで、ロシア軍は3年におよぶこの戦争で勢いがあった。しかし現在はそうではない。これはとくに、ウクライナ東部ドネツク州トレツク市内やその周辺に当てはまる。

トレツクでは2024年の大半の期間を通じて激しい市街戦が繰り広げられ、両軍が高層集合住宅を意図的に破壊したりもした。そして2025年2月7日、ロシア国防省はトレツクを制圧したと主張した。

全面戦争の開始前におよそ3万5000人が住んでいた鉱山都市のトレツクは、ウクライナ側の重要な補給線を見下ろす高台にある要衝だ。クレムリンがその「解放」を祝したのも無理はない。だがウクライナ軍は反撃を進め、2週間後には市中心部に入った。

ロシアのある軍事ブロガーは2月24日、ロシア軍が前日にトレツク市郊外でウクライナ側の反撃を撃退したと報告したが、投稿した動画はウクライナ軍部隊が市中心部に進んでいることを示していた。1週間後、信頼できる戦況図「ウクライナ・コントロール・マップ」で、市西部は両軍が支配を争うグレーゾーンになっている。市街地の中間地帯に突き出た露出部に、少人数のロシア軍部隊がしがみついていた可能性もある。

エストニアのアナリスト、WarTranslatedは「(トレツク)市中心部で戦闘が続いていて、敵(ロシア側)は支配を失いつつある」と伝えている。「いくつかの区域でロシア占領軍が完全に包囲されているという報告もある」とも言及している。

次ページ > ロシア軍はトレツク方面に注力する方向

翻訳・編集=江戸伸禎

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