アリババが20日に発表した決算によると、昨年10月~12月期の純利益は前年同期比3.4倍の489億元(約1兆円)で、売上高は前年比8%増の2800億元(約5兆8000億円)となり、市場予想を上回った。
ニューヨーク市場におけるアリババの株価は、年初来で60%以上上昇し、時価総額が1200億ドル(約18兆300億円)増加した。ただし、現在の時価総額である3230億ドル(約48兆6000億円)は、2020年のピーク時を依然として50%以上下回っている。しかし、20日のアナリスト向け説明会では、多くの好材料が示された。
アリババのエディー・ウーCEOは、決算説明会でAIアプリケーションの普及により、AI向けのコンピューティングパワーを提供するアリババクラウドが恩恵を受けるとの見通しを示し、特に、中国のDeepSeekが1月に発表した低コストのAIモデルによる追い風を強調した。ウーは、アリババの長期的な目標が汎用人工知能(AGI)の開発だと説明した。
アリババは、1月下旬に発表した「Qwen 2.5-Max」モデルに続き、近日中に新たなAIモデルをリリースする予定だ。同社によれば、このモデルはDeepSeekや一部のOpenAIモデルを上回る性能を持つという。
投資銀行ジェフリーズのアナリストであるトーマス・チョンは、20日のリサーチノートで、アリババの長期的な成長のためにAIへの投資は不可欠だと指摘した。また、香港の調査会社ブルーロータス・キャピタルのアナリストは21日に、中国のパブリッククラウド市場で30~40%のシェアを持つアリババクラウドは、今後さらに多くのAIアプリケーションをホストすることになると述べ、アリババが「AI投資銘柄」になったと指摘した。
一方、モーニングスターの香港拠点でアナリストを務めるチェルシー・タムは、西側の企業が中国でAI製品を展開する際、アリババと提携する可能性が高いとの見解を示した。彼女はこの背景に、アップルが中国のiPhoneユーザー向けのAIサービスを提供するために、アリババのモデルを採用する計画を進めている点を指摘した。
アリババにとって、直近の追い風は、政府の厳しい圧力を受けた数年間を経た同社を復活に導く可能性がある。アリババへの締め付けは、マーが2020年に中国の金融規制システムを批判したことを契機に始まった。
しかし、マーは先日、中国の習近平国家主席と面会した民間企業の創業者の1人であり、このことは、政府がアリババを含む民間企業の成長を後押しする姿勢を示したものと広く受け止められている。国内経済の低迷や米中の緊張の高まりの中で、政府の支援がアリババにさらなる追い風を与える可能性がある。
(forbes.com 原文)



