Tips

2025.02.10 08:00

「〜されている」は正しい敬語?ビジネスシーンでの使い方と類義語・言い換え表現を例文付きで徹底解説

「〜されている」の意味とは?

敬語としての「〜されている」

「〜されている」は、一見すると相手を尊重しているように見える表現です。動詞の受け身形「される」に、さらに「いる」を組み合わせて進行中・継続中の状態を示す構造になっています。具体的には「行う」を「行われる」に変化させ、それを現在進行形のように「〜行われている」と表す場合などが挙げられます。

この形は、相手に対して直接「〜している」と述べるよりも、多少丁寧に聞こえるため日常やビジネスでよく使われます。しかし、実際のところ本当に正しい敬語かどうかは、文脈や相手との関係性によって評価が変わる場合もあるため注意が必要です。

受け身の要素と敬意の要素

「〜されている」は受け身表現(受動態)にあたります。日本語では、受け身が敬語的な響きをもつケースがあり、ときに尊敬語と混同されることがあります。例えば「社長が会議を開かれている」は「社長が会議を開催中だ」と同義ですが、そこに「られる」が入ったことで「社長に対する敬意」を表しているように見えるのが特徴です。ただし、実は単なる受け身形の一種に過ぎず、必ずしも尊敬表現として適切とは限りません。

尊敬語には相手の動作そのものを高める言い回しが必要です。例えば「行く」の尊敬語は「いらっしゃる」、「見る」の尊敬語は「ご覧になる」のように、固有の形があります。一方「〜されている」はあくまで受け身表現なので、「社長がお客様に対応している」という本来なら主体が社長自身である動作を受け身にしてしまうと、不自然になってしまうこともあります。


advertisement

「〜されている」は誤用?正しい敬語としての考え方

過剰敬語との区別

ビジネス文書や会話では、丁寧さを意識しすぎて「〜されておられますでしょうか」などの複雑な形を使ってしまう人もいます。これはいわゆる「二重敬語」あるいは「過剰敬語」と呼ばれ、本来の敬語ルールから外れているケースが多いです。たとえば「いらっしゃる」という尊敬語にさらに「〜される」を重ねてしまうと、過剰な敬語になってしまいます。

「〜されている」という形自体も、尊敬語に重ねる、あるいは謙譲語に重ねる形で使われると、過剰敬語となりやすいので注意が必要です。「何々されていらっしゃる」「されておられます」など、複雑に組み合わさっていたら一度文法的に見直すことをおすすめします。

受け身・尊敬・謙譲を整理する

敬語には大きく分けて尊敬語、謙譲語、丁寧語があり、受け身とは別のカテゴリーです。受け身形自体は話し手の立場から見て「何かをされる」という動作の焦点を変える機能を持ちますが、それが直接「相手を敬う」という要素を生むわけではありません。相手を敬うなら、「行われる」ではなく「なさる」や「いらっしゃる」といった尊敬語のほうが適切な場合も多いです。

一方で、謙譲語は「いたす」「申し上げる」など、自分の動作をへりくだる形で表現します。ここで「〜されている」を使うと、逆に自分が高められているように感じられ、違和感があることも。したがって、「〜されている」は尊敬語として機能するわけではなく、文脈によっては単なる受け身の丁寧表現と割り切ったほうがわかりやすいでしょう。

ビジネスシーンでの使い方

メールや文書での使用例

ビジネスメールや企画書などで「〜されている」を使うときは、相手が実施中の取り組みや状況を説明する場面に多いでしょう。例えば「現在、貴社で進められているプロジェクトについてご教示いただけますでしょうか」といった形で使われることがあります。ただし、ここで「貴社が取り組んでおられるプロジェクト」のほうが、より自然な敬語になることもあります。

文書の場合には、受け身に頼るよりも、尊敬語や丁寧な表現を駆使するのがおすすめです。「〜しておられます」「〜なさっています」などの形に言い換えると、過度な違和感なく尊敬を示せるでしょう。特に相手が目上の取引先や顧客の場合、表現の適切さに気を配りたいところです。

会話での使用場面

上司や取引先など目上の人の動作を述べる際に、「〜されている」の使用が増えるケースがあります。例えば「部長が対応されているので、少々お待ちください」のような形です。これも厳密には「部長が対応なさっているので〜」と言い直したほうが自然に尊敬を表せる場合が多いでしょう。

それでも会話の流れによっては「〜されている」でも失礼と感じさせないシチュエーションがあります。ただし、話し方全体のトーンや相手との関係性を見極める必要があるため、「何でもかんでも『〜されている』とすれば正しい敬語になる」というわけではありません。

言い換え表現と注意点

「なさっている」への置き換え

敬語表現として自然なのは「〜なさっている」という形です。例えば「取り組まれている」を「取り組んでおられる」「取り組んでいらっしゃる」に置き換えることができます。これは尊敬語の「なさる」がベースとなっており、相手の動作を高める働きが明確です。

「なさる」はビジネスシーンでも広く使われるため、文書でも会話でも誤解を生むことが少なく安心感があります。ただし、重ねすぎると冗長になる場合があるので、文章全体のバランスを見ながら使用するのがポイントです。

「お〜になっている」を活用する

別の言い換え表現として「お〜になっている」という形も挙げられます。たとえば「話をされている」なら「お話になっている」、「見学をされている」なら「ご見学なさっている」といった具合です。こちらも尊敬を込めて相手の動作を表現できるので、ビジネス文章や会話でよく用いられます。

また「お〜している」も同様に使われますが、「ご対応している」よりは「ご対応なさっている」、「ご対応いただいている」が自然になるなど、動詞の種類によって細かな言い回しが変わります。定型表現を覚えるだけでなく、文脈に合わせて柔軟に変化させる力が求められるでしょう。

使える例文

状況説明で使うパターン

ここでは、ビジネスメールや口頭でのコミュニケーションに役立つ例文をいくつか紹介します。なるべく過剰な敬語にならず、相手に失礼と受け取られない形を心がけましょう。

  • 「先ほどの書類については、すでに部長が確認なさっております。」
  • 「こちらの部署が担当しておられる案件に関して、ご意見を伺いたいです。」
  • 「何か不明点がございましたら、対応を担当している社員にお声がけください。」


上記例文はいずれも、相手や第三者に対する敬意を示しながらも、過剰に受け身を多用していません。尊敬語を自然な形で取り入れつつ、情報を正確かつ丁寧に伝えることを重視しています。

要望や依頼を伝えるパターン

ビジネス上のやり取りでは、相手に何かをお願いするシーンが少なくありません。そこで「〜されている」という表現を使いつつ、スムーズに依頼を行う例文を考えてみましょう。

  • 「只今ご報告を準備されているとのことですが、完了時期の目安を教えていただけますか。」
  • 「担当部署が検討を進めていらっしゃると伺いましたので、詳細を共有していただければ幸いです。」
  • 「先ほどのプロジェクトでコスト計算をなさっていると聞いております。もし差支えなければ、進捗状況を確認させてください。」


要望を伝えるときは、文中に「いただけますか」「伺えますか」のような質問形や依頼表現を添えることで、より丁寧かつ相手への敬意を示すことができます。単に「〜されている」だけを強調するのではなく、文脈全体の敬語レベルにも留意しましょう。


advertisement

まとめ

「〜されている」は日本語の受け身形に丁寧さを加えたような表現で、日常からビジネスまで幅広く使われています。しかしながら、この形が常に正しい敬語かというと、必ずしもそうとは限りません。尊敬語や謙譲語との違いを理解せずに多用すると、過剰敬語や誤用と捉えられるリスクもあるため注意が必要です。

ビジネスシーンでは、特に相手が目上や取引先の場合、適切な敬意を伝えるために「なさっている」「お〜になっている」といった尊敬表現を選ぶのが無難でしょう。一方で、社内のフランクな場面などでは「〜されている」で十分な場合もあります。つまり、大切なのは「シチュエーションごとに最適な表現を選ぶ」姿勢です。

正しい敬語を使いこなすことで、相手に対する敬意や礼儀を示すだけでなく、円滑なコミュニケーションを実現できます。受け身形を過度に多用していないか、尊敬・謙譲表現と混同していないかをチェックしながら、「〜されている」を賢く使い分けてみましょう。上手な敬語運用はビジネスや日常生活でも信頼を得るための重要な要素です。

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事