3. 生産性の向上
空白の時間は生産性とは相反するように思えるかもしれないが、脳が適切に機能するために必要なリセットを与えることで、実際には生産性が高まることが研究や我たちの体験から明らかになっている。休憩なしでフル稼働していると、モチベーションやパフォーマンスが低下する燃え尽き症候群になる可能性がある。査読付きの専門誌『プロスワン』に2022年に掲載された研究では、短い休憩をはさむことで、1日を通して疲れを感じにくくなり、活力が湧いてくることが確認されている。この効果はさまざまなケースで見られる。
特に、同じことを繰り返す社内業務のようなルーチンワークや、新しいアイデアや既成概念にとらわれない発想が必要な創造的なタスクのパフォーマンスを向上させるのに効果を発揮する。
休憩は脳を「リセット」し、エネルギーを補給して集中力を高める。創造性を必要とするタスクの場合、短い休憩を取ることで頭の中で情報をバックグラウンド処理することができ、仕事に戻ったときに良いアイデアが生まれる可能性がある。ルーチンワークの場合、休憩を取ることで退屈や思考の迷いからミスするリスクが減り、作業に再び集中することができる。
「完璧」な休憩の長さは決まっていないが、10分近く休むと疲れが和らぎ、生産性が高まる。1日のうちに意図的に空白の時間を設けることで、仕事の質と効率を高めることができる。
空白の時間で生まれる「大きな可能性」
日常生活において空白の時間を設けることはウェルビーイングにとって欠かせない。そのための簡単な方法は、まずは革新的な戦略を日々のルーチンに取り入れることだ。「10・10・10のルール」はそうした戦略の1つで、10分間タスクに取り組み、10分間の小休憩をとり、最後の10分間は次のタスクに移る前の振り返りやリセットに使うというものだ。
また、「一時停止のプロンプト」を試してみるのもいい。一定間隔で取り組んでいることから離れるようリマインダーを設定し、充電する時間を持つ。休憩している間は深呼吸や短い散歩などをすると集中力が高まり考えがクリアになる。
このような意図的なアプローチは創造性と持続的な生産性につながり、人間として成長し、仕事面でも成功するのに役立つ。
(forbes.com 原文)