地方における情報格差・機会格差と向き合う
藤田岳:これからの展望で言えば、「MoonAcademy」を作っていきます。塾を買収してリブランディングする形で進めていますが、高校や大学受験のためのものではなく、MoonShotの延長線にあるイメージです。MoonShotで0から1を作り出す経験をし、MoonAcademyで1から100を経験するような。僕らは小中高校生が成長していくことのデータをたくさん持っているので、それらを活用した早期就活支援の文脈で考えています。
山田:総合選抜型向けの塾みたいな?
藤田岳:そうですね。
あとは、僕たちがMoonShotを提供しているところは地方が多いのですが、地方であるが故にそうした塾はあまりありません。オンラインで総合選抜で受かった人と繋げたり、スタートアップと繋げてインターンの提供をしたりと、繋げていくことをやっています。
地方には2つ課題があると思っています。一つが情報格差で、もう一つが機会格差。情報格差は僕らがなんとか埋められると思っていますが、機会格差は厳しい。例えば、昨年のIVSで地域スカラシップをやったのもその機会格差を減らせないかなと考えた結果でした。
スタートアップカンファレンスであるIVSに参加するために東京からでも10万円くらいかかる。そのため、2023年は僕自身がいけなかったんですよね。いろんなところで聞けば聞くほど、IVSの存在を知らない人もいるし、知っていても行けないという声は結構ありました。そこで、代表に直談判したところ、IVSとしてもそうした地方の学生をサポートする仕組みを作りたいということで作ることになりました。

藤田:声としてはどうでしたか?
藤田岳:機会としてつくって、半年後、一年後に成長していたら面白いなと思っていましたが、IVSで資金調達を決めた子もいました。参加した中学生がDMMの亀山さんやChatWorkの山本さんを呼んだ中学生だけの起業家イベントをやる予定になっていたりと、みんな成長しているし、活動しているのをみています。
教えて瀬戸内VC 地方での人材探し
藤田岳:今、基本的に学校に無償で導入をしてているので、めちゃくちゃ声がかかります。そこで、地方でやってくれるPM的な存在が欲しいのですが、どうやって探していけばいいかが難しいんですよね。山田:起業部からキャスティングしよう。事業を経験できるわけじゃないですか。毎回採用していって、そのまま卒業したらMoonJapanに入ってもらうのが理想。
僕ら自身が地方人材をめちゃくちゃ求めています。じゃあ僕らが一緒に働く人がどこに居るかと言うと、岡山だと見つけられていない気がする。だから、難易度は高いかもしれないけれど東京から来てもらった方が良くない?とさえ思っていているけど、フルで働くとなると心配になってしまうかもしれないですよね。
例えば、瀬戸内VCとMoonJapanで1人採用するとか。僕らの仕事を半分、MoonJapanの仕事を半分やる形で、向こうも必要なスキルや欲しいものを手に入れやすいようにする採用方法はもしかしたらあるのかもしれない。