Tips

2025.01.23 08:00

「借りる」と「貸りる」の違いとは?意味とビジネスシーンでの正しい使い方を例文付きで徹底解説

「借りる」の意味とは?

「借りる」は、自分が他者(個人や企業など)から物・金銭・サービスなどを受け取って、一定期間利用する行為を指します。 このとき、所有権は貸し手側にあり、借り手は使用や保管を認めてもらうかわりに、契約や約束に基づいて返却や返済を行うのが通常の流れです。 日常的には「お金を借りる」「道具を借りる」という形でよく使われ、ビジネスシーンでも「製品サンプルを借りる」や「資金を借り入れる」といった表現が見られます。 「借りる」側は一定の条件やルールに従って使用する立場であることを前提としており、貸す側との合意や契約が成立している点が大きな特徴です。

たとえば、会社が銀行から資金を借りる場合は、利息を含めて返済期日までに返す義務を負います。 こうした借入行為は、「借用書」「契約書」などの書面を交わして行われ、双方が正当に利益を得たりリスクを管理したりする仕組みです。 小規模なビジネスシーンでは「同僚から資料を借りる」などが挙げられますが、必ずしも書面や契約の形式を取らないことも多く、口頭で簡単に合意が成立する場合もあります。


advertisement

「貸りる」の意味とは?

「貸りる」は、もともとは「貸す」という行為を活用した言い方で、現代の表記ルールでは「貸りる」という形は誤用とされます。 正しい表記では「貸す」「貸している」という言い方が主となり、「貸りる」は古い表記や日常での紛らわしい使い方として残っているケースがあるに過ぎません。 一部の文献や地域では「貸りる」が使われることもありますが、標準的な日本語の用法では「貸す」という動詞が正しい形です。 ただし、口頭で「貸りといて」などと使われることは稀にありますが、ビジネスで正式に用いることはほぼありません。

「貸す」は、「自分の持っている物やお金を、一定期間他人が使えるようにする」という意味を表します。 したがって、「貸りる」は本来存在しない動詞形であり、厳密には「貸す」の誤表現と言えます。 ビジネスで正式なメールや書類を作成する際には「貸してください」ではなく「お貸しいただけますか」「貸与する」などの適切な敬語・表現を選びましょう。

ビジネスシーンでの使い方

「借りる」:資金調達や物品の借用時

ビジネスでは、社内外から物や資金を「借りる」場面が多々あります。 例としては「プロジェクターを借りる」「取引先からサンプルを借りる」「銀行から運転資金を借りる」などが挙げられます。 正式な書面やメールで「借りる」という言葉を使う場合は、「ご融資いただく」「ご貸与いただく」など、もう少し丁寧な表現を検討することも望ましいです。

「貸す」の正しい使い方

相手に物や資金を提供するときは「貸す」を用います。 ただし、「貸りる」という書き方は誤用とされるため、「貸りてください」はカジュアルな会話以外では不適切となります。 ビジネス文書での正しい形は「ご貸与ください」「お貸しいただけますでしょうか」などのように敬語を付けるのがマナーです。 例えば、社内で「資料を共有したいので、貸していただけますか?」と聞くのは自然ですが、「貸りていただけますか?」は日本語として不自然です。

「借りる」と「貸りる」の混同を避けるポイント

1. 文脈上の立場を明確にする

「借りる」は自分が受け取る側、「貸す」は相手に渡す側という構造がベースにあります。 自身の立場が「借りる側」であれば、「借ります」「お借りします」「貸してもらいます」のように言い換え、相手が「貸す側」であれば「貸してください」「ご貸与いただけますか」を使い分けると混同を避けやすいです。 また、書き言葉で「貸りる」という表現を見つけたら、「本当に正しい形か?」を見直すのが賢明でしょう。

2. 正式な文書やメールでは「貸りる」を使わない

現代標準語として「貸りる」は誤用扱いされるため、ビジネス文書やオフィシャルメールでは使わないほうが無難です。 口語で「貸りる」と言う習慣がある場合でも、正式な文章を書くときは「貸す」「借りる」を正しい用法で区別する必要があります。 つい「借りる」と「貸りる」を逆転させて書かないように、作成後の文章チェックを徹底しましょう。

例文で見る正しい使い分け

「借りる」例文

- 「来週のプレゼンで使うノートPCを一時的に借りる予定です。」
- 「急な資金不足が生じたため、銀行から運転資金を借りることになりました。」
- 「上司に許可を得て、隣の部署のプロジェクターをお借りしました。」


これらの例文では、すべて「自分が物やお金を受け取る立場」での表現です。 「借りる」を使う際に、自分が何を受け取るのか(PC、資金、プロジェクターなど)、どんな理由で必要なのかが簡潔に示されるとスムーズに伝わります。

「貸す」例文

- 「弊社では、業務を効率化するためにPCを社員に貸しています。」
- 「取引先から要望があったので、ショールーム用のサンプル品を貸す手配を進めましょう。」
- 「出張で会議室が不足しているとのことなので、私たちのスペースをお貸しいたします。」


こちらは「自分(または自社)が相手に物や設備を提供する立場」での表現です。 「貸りる」と書くと本来逆の立場になってしまうので、注意が必要です。

ビジネスで気をつけたい場面

契約書や見積書など公式文書

契約書や見積書で「○○を貸りる」「貸りります」と記載してしまうと、法的にも不正確な文言となる恐れがあります。 「借用する」「貸与する」など正しい言葉を選ぶことで、トラブル回避に繋がります。 特に、金銭契約で「借りる」「貸す」の関係が明確になっている場合は、誤字や文言ミスに注意しましょう。

社外メール・企画書

取引先に「商品を貸してほしい」という依頼をするときに「商品を貸りていただけませんか」と書いてしまうと、誤用が目立ちます。 正しくは「商品をお貸しいただけませんか」「サンプルをお借りしたく存じます」などを使いましょう。 企画書にも同様の注意が必要で、受け取る側なら「借りる」、提供する側なら「貸す」を正確に使い分けてください。


advertisement

まとめ

「借りる」と「貸りる」は、一見似た言葉のようで実は立場が正反対であり、「貸りる」は現代の公的な文法では誤用とされています。 本来なら「借りる」は「自分が受け取る側」、「貸す」は「相手に与える(預ける)側」という明確な区別があり、ビジネスシーンではとりわけ書面での誤用が目立ってしまう可能性があります。

ビジネスの場では、契約書や見積書、重要なメールなどで表記ミスが起きると、信頼性や正確性に影響が出るかもしれません。 そのため、どちらの立場で行動するのか(自分が借りるのか、相手に貸すのか)を意識しながら、正しい言い回しを選ぶように気をつける必要があります。

また、敬語表現としては「お借りする」「お貸しいただく」といった形で、さらに丁寧なニュアンスを加えるのも有効です。 普段のやり取りではつい混同しがちですが、しっかり区別して使えば、ビジネス文書やメールの品質を高め、誤解を防ぎ円滑なコミュニケーションが可能となるでしょう。 ぜひこの機会に「借りる」と「貸す」の正しい使い分けをマスターし、洗練された言葉遣いを身につけてください。

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事