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経済・社会

2025.01.20 15:15

【ダボスリポート1】トランプも登場。「インテリジェント時代」に世界は協調できるのか

世界は「競争」と「協調」を両立できるのか

地政学的な緊張もまた、世界の先行きを不透明にしている。

世界経済フォーラムが1月7日に発表した『グローバル・コオペレーション・バロメーター』は、グローバルな協力体制の現在地を示している。本リポートによると、グローバルな協力に関する5つの柱のうち「気候変動と自然資本」「貿易と資本」「イノベーションとテクノロジー」「ヘルスとウェルネス」についてはさらなる国際協調の兆しが見られる。

一方、この1年で急速に悪化しているのが「平和と安全」だ。本調査では、中東やウクライナ、スーダンなどで紛争や人道危機のレベルが急速に高まっていると指摘。世界経済フォーラムが1月15日に発表した2025年版の『グローバルリスク報告書』も、今年最も差し迫ったリスクに「国家間の武力紛争」を挙げている。

世界各地で暴力的な紛争が続くなか、今回もダボスには緊張状態に置かれている国や地域から多くのリーダーが参加する。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日に特別講演が予定されている。イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領やパレスチナ自治政府のムハンマド・ムスタファ首相、シリア・アラブ共和国のアサド・ハッサン・シェイバニ外相なども会合に参加する。代理戦争の様相を呈しているスーダンやミャンマー、コンゴ民主共和国、ベネズエラに対する人道支援のあるべき姿などについても議論がなされる予定だ。

「分断が進む世界において、ダボスのような会合に何ができるのか」

開催に先駆けてオンラインで開かれたメディアブリーフィングでは、ジャーナリストから会合の意義を問う声が複数寄せられた。世界経済フォーラムのボルゲ・ブレンデ総裁・CEOは「130カ国以上からおよそ3000人が集まるこの会合には大きなチャンスと責任が伴う」としたうえで、こう断言した。

「分断と極化が進む世界でも、国益を超えて協力できる分野はある。それらを特定し、(協力を)推進していくことが重要だ」

気候変動対策や生物多様性の保全。サイバー犯罪による損失の回避。次なるパンデミックへの対応。世界が直面している課題は、どれも特定の国や地域だけで対処することはできない。

多様な価値観を維持しながらも、競争領域と協調領域を正しく認識し、よりよい社会や世界の構築に向けて歩みを進めることができるのか。「ダボス現地リポート」では、メディア・リーダーとして会合に参加する筆者が、注目のセッションの様子やリーダーたちの声を発信していく。

文/瀬戸久美子 写真/世界経済フォーラム

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