ispaceは、日本、アメリカ、ルクセンブルクの3拠点で月面資源開発ミッションを分担し、同時進行させている宇宙スタートアップだ。この1月には、日本のispaceが担当するミッション2の打ち上げが予定されているが、そこではミッション1で得た貴重なデータやノウハウが活かされている。ミッション2までは技術実証なので、失敗は想定内だ。
『日本を、失敗できない国にしない。』は、「一度の失敗で終わりにしてはいけない、次の失敗を恐れ挑戦することをあきらめないでほしい」との想いを込めて制作された動画だ。「ミッション1で失敗を経験し、悔しい思いをしたispaceだからこそ、失敗を許容し、学び、もう一度挑戦することの大切さを、ミッション2の月面への再挑戦を通じて全国の皆さまへ伝えられれば」とispaceは話す。1月中旬までの予定で、さまざまなメディアで展開される。
人類の科学技術を総動員して未知の領域に挑む宇宙開発は、当然のことながら失敗の連続だ。しかし日本には、H3ロケット初号機の打ち上げが失敗したときのように、失敗を嘆き、関係者を叩く空気がある。印象的だったのは、その同時期にアメリカのスペースXが驚異的なサイクルで繰り返していた巨大宇宙船「スターシップ」の打ち上げ実験だ。失敗の連続だったが、爆発する宇宙船を見て見守るスタッフは拍手喝采していた。実験だから失敗は当たり前。むしろ貴重なデータが得られたと喜んでいた。
「人が転ぶと、人は笑う」という言葉で始まるこの動画は、ispaceのミッション遂行にかける意気込みの表明でもある。たしかに、失敗は悔しく、恥ずかしく、気落ちする。失敗しない人はいない。誰だって見えないところで失敗を次に活かして成長しているのだが、宇宙開発事業となると失敗が大々的に報じられるため批判を浴びやすい。だが同時に、そこからさらに技術や気持ちを高めていく姿も公表される。ispaceが失敗を受け入れ次に活かす社会のロールモデルになるよう期待したい。
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