ドイツで建造され、2009年に進水したおおぐま座号はロシアの比較的新しい補助船だ。ロシア外務省危機管理センターによると、機関室で「爆発」が発生したあと、右舷側に傾き、最終的に沈没した。乗組員16人のうち、14人は付近の船に救助されたという。
Dark days for Russia's seafaring global terror operations as yet another ship sinks off the coast of Spain.
— Jay in Kyiv (@JayinKyiv) December 24, 2024
The fully loaded "Ursa Major" carrying God knows what...now gone, taking several crew members to Davy Jones Locker. pic.twitter.com/GQehpR5sUQ
エストニアのアナリスト、WarTranslatedが英訳をつけて紹介しているところでは、ロシアのある軍事ブロガーは「端的に言って、これよりも大きい(水平・垂直両方向の荷積み可能な)RORO/LOLO型汎用貨物船はない」と嘆いている。
おおぐま座号は以前はシリア駐留ロシア軍の支援にあたっていたが、沈没時には別の任務に就いていたらしい。シリア駐留ロシア軍は現在、バッシャール・アサド前政権の崩壊と新政権の樹立で危機にさらされている。
おおぐま座号は12月中旬、サンクトペテルブルクから極東のウラジオストクに向けて出港した。16日には、ロシアの別の補助船「スパルタ」号とロシア海軍のコルベット「ソオブラジーテリヌイ」とともに英仏海峡を通過していた。
英海軍の23型フリゲート艦がロシアの艦船3隻を追尾した。その後、ポルトガル空軍のP-3哨戒機も警戒にあたった。
その時、おおぐま座号の甲板には大型クレーン2基が載っていた。これらのクレーンと原子力砕氷船用の特殊なハッチ2個が今回の主な積み荷だったもようだ。
冬の海氷を避けるため、おおぐま座号は北極海航路ではなく、地中海からスエズ運河に向かう南回りの航路をとっていた。重すぎて扱いにくいクレーンのため重心が高くなり、これが沈没の一因になったのかもしれない。
前出の軍事ブロガーは、船もろともクレーンと砕氷船用ハッチも海底に沈んでしまったとつづり、「おおぐま座号の極東での任務は『港湾インフラと北極海航路の開発』に関する政府の目的を達成することだったが、その目的は妨げられてしまったようだ」と残念がっている。
(forbes.com 原文)