新たにディレクターに就任したブリジット・フィンのもとで初めて開催された今回は、トップクラスのコレクターやキュレーター、主要な美術館や関連団体の代表者230以上を含め、約7万5000人が来場。南北アメリカで最高のアートイベントの1つとしての地位を、さらに固めるものとなった。
38カ国から参加した286軒(3分の2は南北アメリカが拠点)のギャラリーは、経験豊富なコレクターも、初めてアート作品を購入する人たちも同様に高い関心を寄せると考えられる素晴らしい作品の数々を出展。パブロ・ピカソをはじめとする近代美術の巨匠や、キース・ヘリング、ワンゲチ・ムトゥやセシリー・ブラウンといった現代美術の優れたアーティストの作品が展示された。
フィンは今回のフェアについて、(セクターの1つである)Meridiansのリポジショニングと再概念化からブースに採用した新たなモデルまで、「取り入れたイノベーションを非常に誇りに思っている」とコメント。そうしたイノベーションによって、フェアの主要なセクターに、欠くことのできない多くの新しい声や視点を取り入れることができたと話している。
また、全般的にどのギャラリーも、まさに野心的でまれな作品を出展し、中にはキャリアや規範についての定義まで変えてしまうような作品もあったとして、それらを含む「素晴らしいコレクションは、アート界にとって重要な、将来に関する議論を促すことにつながった」と述べている。自身にとっての最初のエディションに寄せられた信頼に、「深く感謝している」という。
関心を集めたギャラリー&アーティスト
このフェアは、まさにアートが持つ「変革を起こす力」をたたえるイベントとなった。美術館にあるような優れたインスタレーションの出展から、アクセスしやすい一般向けのプログラムの開催まで、なぜ文化的に重要なアートイベントであり、世界中で毎年行われるイベントの中でも見逃せないものであり続けるのかについて、その理由を明確に示したといえる。以下、アート・バーゼル・マイアミ・ビーチ2024で特に注目を浴びたいくつかのギャラリーと、アーティストたちを紹介する。