「マイクロプラスチックは、内分泌かく乱物質である環境ホルモンを体内に運ぶ可能性があり、ホルモンバランスを乱す可能性がある」と、ハーバード大学の医学教授であるクリストファー・トンプソン博士は述べている。この物質は、子どもの肥満や代謝の異常、不妊症などの健康問題に寄与する可能性があるとされる。
マイクロプラスチックの問題は、私たちが生み出す大量のプラスチック製品とそのゴミから生じている。国連環境計画(UNEP)によると、世界では毎年4億トンのプラスチック廃棄物が生まれており、水源を汚染している。
そんな中、フォーブスの寄稿者で救急医療を専門とするドレクセル大学教授のジェシー・パインズ博士は、家庭内でのマイクロプラスチック汚染を避けるために下記のような取り組みを推奨している。
・蒸気が立ち込めるプラスチック容器入りの食品を食べることを避ける。プラスチック製のボトルやカップを、加熱しないようにする。
・家の中のソファやカーテンに頻繁に掃除機をかけ、濡れたモップで拭き掃除をする。これにより、空気中のマイクロプラスチック粒子を減らせる。
・調理前の食材を念入りに洗うことを心がける。特にエビなどの海産物は徹底的に洗浄する。
・プラスチック製の水筒の使用を避けて、銅やガラス製のボトルを使用する。
また、フォーブスにサステナビリティ関連の記事を寄稿者するオリビア・ピノックは、洗濯の際にCora Ball(コーラボール)やGUPPYFRIEND(グッピーフレンド)のような製品を使用することで、洗濯中に排出されるマイクロプラスチックの量を減らすことができると述べている。
Cora Ballは、プラスチック製の渦巻き状のパーツを組み合わせたボール状の製品で、洗濯機に投入すると、衣類から出てくるマイクロファイバーをからめとる。また、GUPPYFRIENDは、合成素材で作られた洗濯用ネットで、衣類から生じるマイクロプラスチック繊維が下水に流れ込むのを防いでくれる。
一方、多くの人々が知っているように、使い捨てのレジ袋は廃止の方向に向かっており、米国では12の州と多くの自治体がプラスチック製のレジ袋を禁止している。また、欧州連合(EU)は2025年末までに1人当たりのレジ袋の年間消費量を40枚以下に削減することを加盟国に義務付けている。
(forbes.com 原文)