アマゾンは明らかに多くのことを成功させている。直近の営業利益が急増していることからわかるように、同社がここ数年にわたって行ってきた大規模なインフラ投資は十分なリターンをもたらしている。同社はまた、広告事業の拡大にも注力しているほか、クラウド事業が牽引する生成AI分野でも大きな勝者だと見られている。
アマゾンの直近の動向
アマゾンは独自のAIチップの設計を倍増している。先日、生成AIのトレーニングに最適化した独自プロセッサのAWS Trainium3を発表した。同社によると、Trainium3は前モデルのTrainium2よりも2倍高速で、エネルギー効率は約40%向上しているという。このチップは2025年に発売される予定で、TSMCによる最新の半導体製造技術である3ナノメートルプロセスを採用している。このTrainium3の開発が順調に進むか、それとも遅延するかは、今後の株価に大きく関わってくるだろう。アマゾンは自社で開発したAI製品を他社に売り込んでいる。例えば、アップルは検索などの特定のタスクにアマゾン製のAIチップを使用していると言われている。アップルはまた、同社の独自AIであるApple Intelligenceを訓練するために、アマゾンの最新チップを使用できるかどうかを評価していることも示唆している。
これとは別に、アマゾンは数十万個のTrainium2チップを使用して構築された巨大なAIスーパーコンピューターの計画も発表している。アマゾンは今後もエヌビディアの最先端GPUの重要な顧客であり続けると予想されるが、自社でのチップ開発はいずれAWS事業のコスト削減に役立ち、新たな収益源を構築する可能性もある。
加えて、アマゾンは新事業のAmazon Autosによって自動車販売分野にも進出した。現在、このサービスは米国48都市で利用可能だ。このプラットフォームは当初、新車販売に重点を置き、韓国の現代自動車をローンチパートナーとしてスタートする。同社は今後数年間でブランドや都市を増やし、徐々に拡大していく意向を示している。このサービスでは、アマゾンは仲介役となって顧客と地元ディーラーをつなぎ、そのディーラーが自動車の最終販売者となる。アマゾンは自動車分野における実績がほとんどないものの、その膨大な潜在顧客数と、従来型の自動車ディーラーに対する人々の不満を考えれば、同社にも十分なチャンスがあるだろう。