カリフォルニア大学リバーサイド校のシャオレイ・レンが率いる研究は、データセンターの汚染が広範囲に影響を及ぼしていることを明らかにしている。
「公衆衛生への影響は直接的で目に見えるものです」とレンは述べ、汚染がデータセンター周辺をはるかに超えて伝播し、全国の人々に影響を及ぼしていることを指摘した。
主要な汚染物質である微小粒子状物質は特に有害で、AIモデル1つを訓練するのに必要なエネルギーは、ロサンゼルスとニューヨークを車で1万往復したときの排出量に相当する。
研究者たちは、米国環境保護庁のツールを使ってこれらの予測を計算した。2030年までに、データセンターは米国の鉄鋼業が負う公衆衛生コストに匹敵し、カリフォルニア州相当の規模の州での自動車排出ガスの影響に匹敵する可能性があるという。
現在、バージニア州のデータセンター・アレイがこの問題を例証しており、バックアップ発電機が年間最大14000件の喘息患者を発生させ、最小限の運転レベルであっても健康への影響に3億ドルのコストがかかっている。
一部の大手企業が排出量削減のために原子力や再生可能エネルギーに投資しているとはいえ、多くのデータセンターはいまだに化石燃料に大きく依存している。現在の傾向が続けば、2030年までにデータセンターはカリフォルニアやニューヨークと同程度のエネルギーを使用することになる可能性がある。
ペンシルバニア大学の研究者であるベンジャミン・リーは、これらの概算値を改善し、緩和策を検討するため、さらなる研究が必要としている。
※本稿は英国のテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」2024年12月12日の記事から翻訳転載したものである)