11日に公開されたデモ動画には、太い黒縁のメガネをかけた男性が自転車に乗ってロンドン市内を探索する場面が含まれており、男性が公園沿いを走行中に場所の名前を尋ねると、AIはプリムローズ・ヒル公園だと回答した。さらに、公園の中で自転車に乗ることが許可されているかと尋ねると、「許可されていない」と回答した。また、自転車道沿いにスーパーマーケットがあるかを尋ねると、AIは近くにSainsbury'sの店舗があると回答した。
この操作は主に音声ベースで行われており、競合他社のスマートグラスのようにデジタルオーバーレイを多用するものとは異なっていた。
彼はまた、スマートフォンを使ってAIエージェントを呼び出してバスを指差しながら、このバスはチャイナタウンの近くまで行くかを尋ねた。すると、AIはそのバスのルートを特定し、近くまで行くと回答した。このAIエージェントはさらに、道路沿いの彫刻についての情報を男性に提供したほか、ビルの入口にある認証デバイスの暗証番号を、メールの受信箱から探り出して教えるといったタスクを行った。
このメガネ型端末は、グーグルの生成AIの最新バージョン「Gemini 2.0」で動作している。このAIは、ユーザーの代わりにタスクを実行するAIエージェント機能の強化に重点を置いたもので、人間の代わりにeコマースでの買い物や店の予約などを行える。
グーグルは、AIエージェントのためのプラットフォームのProject Astra(プロジェクト・アストラ)を5月に発表したが、そこに改良を加えて応答時間の短縮や自然言語処理能力の向上を実現している。
同社のメガネ型デバイスは、Geminiの生成AIをグーグル検索やマップ、レンズの機能に統合したもので、画像認識を用いて現実世界の物体や写真内のアイテムに関する情報を引き出せる。グーグルは、近いうちに少数のテスター向けにこのメガネを提供する予定だと述べたが、一般発売の時期や製品版の詳細、技術的な仕様を開示していない。ただし、「間もなくさらなる情報を発表する」としている。