北米

2024.12.11 17:30

メディア王マードック家の内紛、長男の「独占支配」を裁判所が却下

ルパート・マードックと長男のラクラン(Photo by Jean Catuffe/GC Images)

ルパート・マードックと長男のラクラン(Photo by Jean Catuffe/GC Images)

「メディア王」として知られるルパート・マードック(93)が、自身の死後も一族の「メディア帝国」を、保守派の政治勢力として維持することを狙った遺産の相続計画が、裁判所によって却下されたとニューヨーク・タイムズ(NYT)が12月9日に報じた。
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マードックは、FOXニュースやウォール・ストリート・ジャーナルを含むメディアの保守派の編集方針を維持するため、自身の継承者に選んだ長男のラクラン(53)のみに、家族信託の独占的な支配権を与えるよう遺産計画を修正しようとした。しかし、この試みは、他の子どもたちとの数カ月にわたる法廷闘争の末、ネバダ州の裁判所によって却下された。

裁判官は、家族信託の独占的支配権を長男のラクランに与え、父の死後に平等な投票権を得るはずだった他の3人の子どもたちを排除しようとしたマードックとラクランの試みを容認できないとした。

ルパート・マードックの弁護士のアダム・ストレイサンドはNYTに対し、この判決に対して上訴する意向を示した。推定保有資産が225億ドル(約3兆4000億円)のマードック家の後継問題は、9月に表面化し、家族信託の内容の改定を巡る争いは法廷闘争に発展した。
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マードックは当初、ニューズ・コープやフォックス・コープを含むメディア帝国の支配権を、長男のラクランとジェームズ(51)、エリザベス(56)、プルーデンス(66)の4人の年長の子どもたちの間で平等に分配する予定だった。

しかし昨年、マードックは家族信託の独占的支配権をラクランに与える請願を行った。その理由として彼は、自身のメディア帝国の保守的な編集方針を維持することが、長期的に商業的価値を守る唯一の方法であると主張した。

裁判書類によれば、マードックは他の子どもたちが、保守的な編集方針に反対していることを懸念し、彼らが編集方針やコンテンツの方向性を見直すことを防ごうとしていた。

マードックのニューズ・コープは、ウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・ポスト、スカイニュース・オーストラリアを含む世界中の数百のパブリッシャーを所有している。また、彼のフォックス・コーポレーションはFOXニュースを所有している。
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編集=上田裕資

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