11月のデータを見てみると、業種別では「サービス業」が221件でトップ、ついで「小売業」で174件、「建設業」で163件と続いている。
倒産主因別で見ると、「販売不振」が680件でダントツトップ。全体の81.5%を占めている。これは不況型倒産であることを示しており、日本経済的には景気が良いのは一部の業種だけなのかもしれない。
負債額は、「5000万円未満」が491件と約半数で、ついで「5億円未満」が176件、「1億円未満」が120件と続いている。中には「100億円以上」が2件もあった。
地域別に見ると、「関東」が最も多く282件。「近畿」の225件、「中部」の107件と続くが、減少したのは「中国」だけ。増加率がもっとも高かったのは「北陸」で100%増となっている。
こうした中で、注目している倒産動向として、「医薬品小売事業者」を挙げている。いわゆるドラッグストアや薬店、調剤薬局で、2015年の33件を上回る34件の倒産を記録した。業種別では「調剤薬局」が28件でもっとも多いが、全国の薬局数は2023年度末時点で6万2828施設。ここ10年間で5757施設も増加しており、競争が激化しているだけでなく、経営者の高齢化倒産増加の要因の1つと考えられている。
また、物価高倒産は82件発生。年間件数では877件を数え過去最高を記録している。
今後、物価高倒産件数はまだ伸び続けそうで、政府も物価高に対して何かしらの対策は急務だ。倒産は地域経済への影響も大きいため、石破政権の今後の手腕が問われる。
出典:帝国データバンク「倒産集計 2024年 11月報」より