トランプはTikTok禁止を覆せるか
TikTokは提出した書類の中で、トランプがTikTokを救済し、高裁での争いを収拾させる可能性を示唆したが、そうだとしてもトランプがどのような手法でそれを実現できるかは不明だ。トランプは、アップルやグーグルがそのアプリストアでTikTokアプリを提供し続けるのであれば、政権がTikTok禁止を強制することはないと言うこともできる。だが、法律専門家らは米誌バロンズに、アップルやグーグルには禁止令に従うよう「かなりの圧力」がかかるとの見方を示した。元司法省職員のアラン・ローゼンシテインは、トランプの予測不可能な性格から、企業はトランプが心変わりして禁止法を施行する可能性を排除することはしたくはないだろうと指摘し、そのためTikTokをアプリストアから削除するという見方を示した。
ローゼンシテインは専門誌ローフェアへの寄稿で、トランプが新法を阻止する最善の方法は、バイトダンスが新法にあるように実際にTikTokを切り離したかどうかにかかわらず、TikTokは法規を遵守しており、禁止されるべきではないと宣言することかもしれないと推測している。だが、TikTokと競合する企業が訴訟を起こし、TikTokは法律を遵守していないと主張する可能性があるとローゼンシテインは指摘している。
トランプが取り得る最も突飛な方法は議会に圧力をかけて法律を廃止させることだが、議員たちが党派を超えてTikTok禁止を支持していることを考えると、この手法は失敗することはほぼ確実だとローゼンシテインはみている。
TikTok禁止法は4月に成立したが、議員らは長らくTikTokと中国との結びつきを懸念していた。TikTokとTikTokアプリを利用しているクリエイターらは、禁止令は憲法修正第1条で保障された言論の自由を侵害しているとしてすぐさま提訴し、この主張に対して政府は国家安全保障のために新法が必要と切り返した。
ピュー・リサーチ・センターが7月と8月に実施した世論調査によると、米国の成人の32%がTikTok禁止を支持している。TikTok禁止を支持する割合は着実に下がっており、2023年3月時点では50%、同年9月と10月では38%だった。
(forbes.com 原文)