今起きている一連の紛争は、一見するとそれぞれ別個の紛争に見えるかもしれないが、単一の包括的な世界規模の紛争の構成要素と認めるべき性質をいくつか共有している。具体的には、大国が直接または代理勢力を通じて関与していること、政治的・経済的・イデオロギー的な目的が複雑に絡み合っていること、1つの紛争が他の紛争に芋づる式に影響を及ぼし、不安定化の連鎖を引き起こしていることなどである。
こうした相互に関連した危機は、第一次・第二次世界大戦の初期とよく似ており、局地的な紛争と世界規模の紛争の境界を侵食して、支配と生存をかけたより広範な闘争へと国家や同盟国を引きずり込んでいく。これこそ、個々の戦い以上に世界大戦を定義づけるものだ。
この事態はビジネスの世界にとって何を意味するか
ビジネスリーダーがこの事態を気に掛ける必要があるのはなぜかといえば、世界的な紛争が拡大すれば、経営する事業にますます大きな影響が及ぶからだ。それは世界経済に影響を与え、サプライチェーンに影響を与え、顧客にも影響を与える。すでに直接的・間接的な影響が出ているが、戦闘が拡大するにつれて、さらに波紋は大きくなるだろう。JPモルガンのダイモンCEOが警告したように、「(われわれは)この問題が自然に解決するのを待つわけにはいかない」。私たちは準備をしなければならない。明日ではなく、今日すぐにだ。
第三次世界大戦に備えるということは、世界的な紛争が会社にどのようなリスクをもたらすかを認識することである。リスクを知れば、そのリスクを最小限に抑えられるよう戦略を変更したり、リスクを軽減するための危機管理計画を策定したりできる。