2011年に打ち上げられたジュノーは現在、延長された運用期間の最終年に突入している。2016年から木星の周回軌道を回り、この巨大ガス惑星の大気、磁場、内部構造に関して画期的な知見をもたらしてきた。
ミッション終了予定日は来年9月15日。ジュノーは76回目のフライバイ中に木星の大気圏へと「死の急降下」を行い、燃え尽きることになっている。これは、生命が存在する可能性があると考えられている木星の衛星エウロパにジュノーが衝突し、探査機に付着した地球の微生物によってエウロパの環境を汚染してしまう可能性を排除するためだ。
ここで紹介する画像は、NASAの画像処理技術者の専門チームではなく、世界中の市民科学者たちがジュノー・ミッションの特設サイトから生データをダウンロード・解析処理して画像化したものだ。
ジュノーは機体を回転させることで姿勢を安定させるスピン安定型の探査機なため、搭載された200万画素のカメラ「JunoCam(ジュノーカム)」が撮影した画像データは、多くの処理工程を必要とする。ジュノーカムのほかに探査機は、磁力計、重力観測装置、マイクロ波放射計などを搭載している。
ジュノーの運用終了後に木星探査を引き継ぐかたちで、2つのミッションが進行中だ。
欧州宇宙機関(ESA)が主導する木星氷衛星探査計画「JUICE(JUpiter ICy moons Explorer:ジュース)」は、2023年に探査機を打ち上げた。2031年までに木星系に到着し、木星の衛星エウロパとカリストの画像を撮影した後、2034年に衛星ガニメデの周回軌道への投入を予定している。
一方、今年10月14日に強力な大型ロケットで打ち上げられたNASAの「エウロパ・クリッパー」は、JUICEより一足早い2030年に木星に到達する予定だ。特にエウロパに重点を置いて木星の衛星探査を行う。
ジュノーは12月28日に次回(68回目)のフライバイ観測を予定している。
(forbes.com 原文)