この背景にあるのは、以前よりも高額な商品が売れているというトレンドだ。「2019年4月から2024年8月までの間に、最も高価な商品のオンライン販売の割合は47%減少していたが、ホリデーシーズンの最初の24日間ではこの傾向が逆転した」とアドビは述べている。「最も高価な商品の割合は、シーズン前と比べて15.1%増加しており、大型テレビや高性能の洗濯機などが人気を集めている」と同社は指摘した。
この動きを裏付けるのが、検索インテリジェンス企業のCaptifyによるデータだ。同社によれば、直近の1週間で検索回数が増加した商品には、ダイソンやアップル、ニコン、Bose、Ankerなどのプレミアムブランドのアイテムが含まれるという。
また、カテゴリ別の支出額の動向は下記のようになっている。
・電子機器::177億ドル (約1兆7500億円、前年比11.4%増)
・アパレル::145億ドル (約2兆1700億円、前年比13.4%増)
・食料品: 75億ドル(約1兆1200億円、前年比16.8%増)
・家具/寝具::95億ドル(約1兆4200億円、前年比7.2%増)
・化粧品::32億ドル(約4800億円、前年比10.1%増)
電子機器では、最も高価な商品の割合がシーズン前と比べて42%増加しており、消費者が重要と考えるものには大きな金額を支払う傾向が見て取れる。また、これらの高額な商品がブラックフライデーやサイバーマンデーのディスカウントを待って購入される傾向も示された。
さらに、消費者の検索の動向についてはグーグルやBingなどの従来の検索エンジンからのトラフィックが依然として高い一方で、ChatGPTやClaude(クロード)、グーグルのGemini(ジェミニ)、マイクロソフトのCopilot(コパイロット)などのAIチャットボットやLLM(大規模言語モデル)からの流入も急成長している。
アドビによれば、今年の年初から8月31日までの期間における、AIチャットボット経由の小売サイトへのトラフィックは前年同期比で900%増加しており、ホリデーシーズンの最初の24日間では、1700%増という驚異的な伸びを記録したという。
また、BNPL(後払い決済)の利用も増えており、今年の支出額は前年同期比で約4%増加し、これまでの総支出の774億ドル(約11兆6000億円)のうちの約60億ドル(約9000億円)を占めていたとアドビは述べている。さらにモバイル端末からのオンライン支出は、デスクトップやノートパソコンを上回り、2024年のホリデーシーズン全体の51.6%を占めるまでに増加した。これは前年と比べて13.3%の増加という。
(forbes.com 原文)