アート

2024.11.17 12:00

バスキアとウォーホルの自画像、同じオークションで異例の共演

ジャン=ミシェル・バスキアによる自画像。2017年ロンドンのバービカン・アート・ギャラリーにて撮影(Tristan Fewings/Getty Images for Barbican Art Gallery)

ニューヨークのオークションハウス、Phillips(フィリップス)が11月19日に開催するオークション、「Modern & Contemporary Art Evening Sale(近現代美術イブニング・セール)」に、アンディ・ウォーホルとジャン=ミシェル・バスキアの自画像が出品される。思いがけなく同じオークションでお披露目されることになった人気アーティストの自画像に、アート界の視線が集まっている。

落札予想価格は、1983年発表のバスキアのトリプティク(3部作)の自画像が1000万~1500万ドル(約15億5000万~23億3000万円)、合成ポリマー絵具とシルクスクリーン・インクでキャンバスに描かれた1981年のウォーホルのディプティック(2枚組)の自画像は、400万~600万ドル(約6億2000万~9億3000万円)となっている。

フィリップスのプレジデントで、以前はカタール博物館のパブリック・アート・プログラムのディレクターだったジャン=ポール・エンゲレンはこの偶然について、「バスキアが出品されたことを非常に嬉しく思っていましたが、突然、もうひとつ(ウォーホル)の2枚組の自画像も出品されました」述べ、オークショニアとしては、これら2作品がそろったことで、競売に違いが生まれたと話している。

さらにエンゲレンは、それぞれの自画像ついて次のように説明している。

「(バスキアが強調しているのは、)音楽の重要性です。そして、自らを偉大なジャズミュージシャンたちと同じ系譜に属する者と位置づけています」「この自画像の明確な特徴といえるのは、その点だと思います」

左側のキャンバスにはブロック体の文字で、姓と名の間にスペースを入れずに「BENWEBSTER」と7行にわたって書かれ、最下段の最後の文字の横には、著作権記号「(C)」が記されている。

「ザ・ブルート」として知られたウェブスターは、パワフルな演奏スタイルのテナーサックス奏者。1940年にデューク・エリントン楽団のソリストとして活動を開始した後、1964年後半には欧州に移住。地元だけでなく、米国から訪れるジャズミュージシャンたちとも共演していた。
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編集=木内涼子

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