人材派遣やコンサルティング事業を展開するR&Gは、社会人の男女498人を対象に「渋滞時の車内に関する意識調査」を実施した。それによると、渋滞が嫌な理由のトップ5は、上から「予定が狂う」、「時間がもったいない」、「イライラする」、「トイレの不安」、「身体が疲れる」だった。仕事の約束時間が迫っていると、予定が狂い時間がもったいなくイライラして身体が疲れ、トイレに駆け込みたくなる。
だが、渋滞に慣れている人たちは、イライラしても仕方がないと、車内でリラックスする術を備えている。もっとも多いのが「音楽を楽しむ」だ。好きな音楽を聞いて車内にいることを忘れる、カラオケボックスのいる気持ちで家族と歌って楽しむなどだ。
2位は同乗者がいる場合に限られるが、「おしゃべりをする」だ。積極的に楽しい話をしてイライラを忘れる。3位は「お菓子をつまむ」。渋滞したらお菓子を食べようと準備しておくと、ちょっとワクワクできるかもしれない。4位は「動画・映画を見る」。運転者が動画を見ると道路交通法の「ながら運転」に該当して違反になるが、同乗者、とくに子どもの退屈を解消するには有効だ。
5位は「ラジオを聴く」。ラジオのほかポッドキャストやオーディオブックもアリだ。6位は「ドリンクを飲む」。コーヒーを飲みながら「みんな大変だしイライラしても渋滞は解消されない」と思って深く考えないようにするという人がいた。7位は「ゲームをする」。クイズ、しりとり、連想ゲームなど、ながら運転にならない遊びで同乗者と騒ぐ。
以上が渋滞の達人によるアイデアだが、基本的に、渋滞を楽しい時間に変える工夫だと言える。また、そもそも渋滞は嫌いかという質問で、当然のことながら9割近い人が「嫌い」だと答えたのに対して、「嫌いではない」という人が約1割いたことは注目に値する。理由は、「のんびりできる」、「仕方ない」、「おしゃべりできる」などだ。
この調査の監修を担当した公認心理師の大野萌子氏は、渋滞が嫌いではない人たちは、その時間を楽しんでいると解説する。人は、先が読めないと不安になりストレスを感じる。それを回避するのは「備え」。いざというときに対応できる安心感が心のゆとりにつながるということだ。飲み物やお菓子、長時間のドライブの場合は簡易トイレなどを備え、渋滞も悪くないと考えを変えれば、楽しいひとときになるだろう。
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