ナガセは、2024年6月に実施した「全国統一デジタルスキルテスト」の受験者のうち、DX推進、IT開発および運用部門に所属する人から526人を抽出し、2024年7月に実施した「全国統一高校生テスト」の決勝大会進出者170人と、高校の履修科目である「情報Ⅰ」の学習範囲に該当する20問の正解率を比較した。すると、高校生が社会人を上回った問題が16問もあった。
しかもその16問では、ほとんどが10ポイント以上の差が付いている。とくに目立つのは、アルゴリズム(二分探索)の理解(約25ポイント差)、統計分析(約29ポイント差)、標準偏差(約56ポイント差)などだ。アルゴリズム設計と統計分析はビジネスにおいて非常に重要なスキルとなるため、ちょっと心配になる。
反対に社会人が高校生を上回ったのは、JavaScriptの概要理解(約24ポイント差)、個人情報保護法の内容理解(約12ポイント差)、無線LANにおけるセキュリティ知識(約19ポイント差)、生成AIの現在(約7ポイント差)だった。プログラミング言語やセキュリティーといった実務系はさすがに強いようだ。
高校で「情報Ⅰ」が必須科目になったのは2022年度からなので、現役高校生が全般的な知識を高めているのは当然だ。実社会では、IT関連の技術者は専門性を求められ日々仕事に追われているため、総合的な知識を磨く余裕はないと考えると、単純に成果率を比較して社会人の負けと断じては乱暴にすぎる。むしろ、これからデジタルスキルの高い人材がどんどん世に出てくるのだという明るい話題と受け止めたい。
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