トランプは選挙活動中に外国製品への関税に関して多くの公約を掲げた。具体的には、メキシコ製の商品に少なくとも25%、最高で100%の関税をかけると11月4日に発言している。その前には、中国製の商品に60%の関税を、外国で製造されたものには一律20%の関税をかけるべきだと述べた。
「ウォルマートに行けば、売られている商品は事実上すべて中国製だ」と調査会社Recon Analytics(レコンアナリスティクス)の通信業界アナリスト、ロジャー・エントナーはフォーブスに語っている。
「我々は中国を工場にすることを決めた。何十年もかけてそうしてきたが、それを元に戻すには、10年とは言わないまでも何年もかかるだろう。それは1つのことにとどまらず、サプライチェーン全体にわたる動きだ」
トランプがこれらの約束を果たすとすれば、iPhoneから衣料品、家庭用品に至るまで多くの輸入品の値段が上がることになる(ただし、iPhoneは「中国で組み立てられているだけのため影響は最も小さい」とエントナーは指摘した)。
トランプは関税措置を取ることで製造業の米国回帰を促し、数十億ドルの歳入がもたらされて国の赤字削減に貢献すると主張している。
歴史的に、関税は消費者に外国製ではなく国産品を買うよう促すために使われてきた。バイデン政権によると、連邦政府が受け取る金、つまり政府の歳入に占める関税の割合は18世紀後半には100%だったが、100年前にはほぼ皆無になった。それ以来、歳入の源は主に所得税だ。
国産品での代替が容易なものもある。例えば、赤ワインを購入するとき、アルゼンチン産のマルベックの代わりにカリフォルニア産のメルローを選ぶことができる。だが国産品での代替が難しいものもある。スマートフォンはすべて、米国で使用されている大半の家電製品と同じくアジア、主に中国で製造されたものが輸入されている。